MAMEHICOスタッフの草ヶ谷美香です。
前回のブログでは、一人芝居『脱走兵と群衆』への私の個人的な想いをお話ししました。
その後も「どうしてこんなに惹かれるんだろう?」って、ずっと考えていました。
お店で一緒に働いている時の井川さんと、舞台の上に立つ井川さんは、なんだか別の生き物みたいで。
スタッフとして近くにいるからこそ、その「不思議なエネルギー」の正体を知りたくて、昔のブログや資料を読み返してみました。
すると、かつて寄せられたある感想が目に留まったんです。
私が言葉にできなかったことが、そこに全部書いてありました。
「まずはじめに言っておく。これは絶対に観といた方がいい。
なぜならこのような作品は、ここでしか生まれ得ないし、ここで生まれるべくして生まれた作品だから。
『脱走兵と群衆』は別名『MAMEHICO』そのものだ。井川啓央が20年かけて培ってきたプロダクトの集大成なのだ」
読んでいて、思わず「ハッ」としました。
この20年間、MAMEHICOはカフェだけでなく、舞台や映画、音楽ライブと、本当にたくさんのものを作り続けてきました。
制作、劇場設営、メニュー考案、大道具、小道具、音楽、音響、脚本、監督、主演…。
気づけば、そのすべてを「井川啓央」というひとりの人間が引き受けるという、すごい状態に辿り着いていたんです。
でも、このお芝居は、決して「特別なイベント」ではありません。
MAMEHICOがずっと大事にしてきたのは、いつものカフェと同じ「日常」です。
そして、物語の主人公であるヨシノが大事にしているのも、やっぱり日々の地続きにある「日常」。
カフェも、舞台も、そして描かれているテーマも、すべては私たちの日常とつながっています。
だからこそ、気合を入れて観にいくというよりは、肩の力を抜いて、いつものカフェに遊びに行くような気持ちで立ち寄ってほしいなって思っています。
舞台の上には、井川さんひとり。
でもそこには、20年かけてみんなで積み上げてきたものが、ぎゅーっと凝縮されています。
銀座のカフエという至近距離で、ひとりの人間がその重みを背負って立っている姿。
「日常」の大切さをちょっと考えてみたいな、という方にこそ、ぜひその目で確かめてほしいです。

「脱走兵と群衆」
出演 / エトワール★ヨシノ
作・演出 / 井川啓央
日時: 3/19(木)、20(金)、5/2日(土)、3(日)
場所: MAMEHICO銀座



