縁がかたちになるとき

みなさま、こんにちは。MAMEHICO東京イベントスタッフの坂本智佳子です。
MAMEHICOでは、イベントのブッキングや運営に関わっています。
運営といっても、現場を回すだけでなく、器や空間に触れることも多くあります。
もともとそういうものが好きで、気づくとつい目がいってしまいます。
MAMEHICOで、江戸〜大正の染付の猪口や古伊万里、磁器など、骨董を見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
特にMAMEHICO神戸では、ポットと猪口で珈琲をご用意しています。
このように、骨董を扱うようになったきっかけには、ひとつのご縁がありました。
MAMEHICO紫香邸の建物の前の持ち主は、骨董商の黒島さん。
築90年超の立派な日本家屋は、財閥出身の方が住んだ後、黒島さんの骨董のお店として使われていました。
MAMEHICOがその建物を受け継ぐことになり、そこにあった骨董たちも一緒に引き継ぐことになりました。
そうして、MAMEHICOに骨董が散りばめられることになったのです。
その黒島さん、もともとは普通の会社員だったのが、骨董好きが高じて骨董商になってしまった方です。
御年85歳超、もう引退したといいながら、未だに骨董市に通っているのです。笑
そんな黒島さんが断言するのは、「専門性が高いのは面白くない!」ということ。
確かに黒島さんのコレクションは、古代土器、昭和の絵画、ヴィンテージ家具、ヨーロッパの洋食器、そして紫香邸となる日本家屋まで、本当に幅広いのです。
MAMEHICOが大切にしている「雑を大切に」ということと、まさに重なりますが、何でも良いのかというと、そうでもない様子。
黒島さんが選ぶのは、物ではなく、付き合う人なのだそうです。
良い人と付き合えば、おのずと良い骨董も手に入る。
大切にしたい人を大切にすれば、連鎖的に良い輪が広がってゆく。
確かに縁を大切にしていた黒島さんのコレクションは、財閥の蔵出し品も多くあります。
骨董は真贋や価値ばかりが注目されますが、黒島さんと付き合っていると、物選びに見えがちな骨董こそ、人付き合いなんだなと気付かされました。
そしてもうひとつ、骨董の器を手にするたびに気づかされることがあります。
昔の陶磁器は、その土地の土、その土地の製法で作られているので、産地がはっきりしています。
ところが現代のものは、材料をあらゆるところから取り寄せるため、本当の産地というものがなくなってしまいました。
根っこを持つ器と向き合っていると、あやふやなものに囲まれている自分が、なんだか時代に流されているように感じられてきます。
骨董の背景を想像すると、何とも不思議な気持ちになります。
名も知らぬ職人が作り、名も知らぬ庶民が使い、一体何人の手を経て、目の前にあるのだろう…?
縁を大切にすること、雑を愛でること、根っこを持つこと。
100年以上前の暮らしの器が、現代を生きる私に教えてくれることは多いなと感じています。

少しずつ手を入れながら、
続いてきた時間があります。
その一端を、感じていただけたらうれしいです。







