秋モンブラン&スワン
みなさん、ごきげんよう。日野沙織です。
「MAMEHICOのやってること、やらないこと」。今日は、スワンシュークリームの話をします。
湖に浮かぶ白鳥のようなシュークリーム。
今年、MAMEHICOの「昭和レトロシリーズ」のデザートとして登場しました。
なにを隠そう、わたしはシュークリーム好きです。笑
最近はクッキー生地を使った、ザクザクしたタイプも多いけれど、わたしが好きなのは、生地がやわらかい昔ながらのシュークリーム。
MAMEHICOのスワンは、まさに正統派です。
スワンの首、先派? 後派?
シュークリームの食べ方って、意外と人柄が出るなと思うのです。
スワンシュークリームなら、なおさら。首を先に食べるか、後に食べるか。
ほんっと、どうでもいいことだと思うんですけど。笑
でも、こういうところに、その人の生き方が出る気がするんですよね。
わたしは、倒れるのが嫌なので、首を先にとって食べたい派。
そして、とった首にクリームをつけながら食べるのが好きです。
ディップをつけて、スティック野菜を食べているような感覚で。笑
一方で、首を最後まで残しておいて、崩れて倒れそうになったところで、ようやく食べる人もいる。
シュー生地とカスタードと生クリームを一緒に食べると、やっぱり最高です。
皮だけ先に食べる人は…、さすがにいないですかね。笑
みなさんは、どんなふうに食べますか。
たくさん作らない、という選択
このスワン、見た目がかわいいだけではありません。
上に乗っているクッキー生地は、白鳥の羽毛を表現しています。
表面のあのザラザラした感じも、羽の質感を出すための工夫。羽を置く角度も大事です。
ちゃんと意味があって、あの形になっている。
こういう細かいところにまで意味を持たせるのが、MAMEHICOらしいなと思います。
中のカスタードの甘さは、ぎりぎりまで減らしています。
あっさりしていて、でもちゃんとカスタードらしい。
わたしは、プルプルにかたいカスタードも、あまり好きではありません。
その「かたさの塩梅」は、レシピにするのがなかなか難しいところ。
毎回、感覚を確かめながら作っています。
そして、もうひとつ。おそらく、ほかのお店ではあまりやっていないだろうなと思うのが、カスタードを少量ずつ炊いていること。
ケーキ屋さんと同じことをやっても、意味がないというか。
「いま、あなたのために作りましたよ」。そんな気持ちが、どこかにあるのです。
多くのお店では、盛りつけで「作りたて風」に演出することもあると思います。でもMAMEHICOは逆です。
見た目には特別そう見えないのに、実は作りたて。
これは「商売としてはダメでしょ」と、ツッコまれました。笑
親切すぎるというか、「発想がお母さんみたいだね」なんて言われたりもします。笑
それでも、おいしいから、そうしたい。
結局、MAMEHICOはカフェだから、できたてのものを出したい。
いつも「ちょいちょい作る」。それが、MAMEHICOの基本なんだと思います。
おすまし禁止
スワンの絞り作業は、なかなか難しいものです。
そのなかでも、いちばん上手なのがスタッフのみずきちゃん。
オーブンシートの上に、絞りのガイドを一枚ずつずらしながら置いていくという、かなりアナログな方法で絞っています。笑
一枚のデータにまとめて、一気に絞ればいいのに。
そう思うんですが、そういうところも含めて、彼女らしいなと感じています。
そんなスワンシュークリームの目指すところは、「キューティエレガンシー」。笑
エレガントなだけだと、ちょっとつまらない。ちゃんとキュートな部分も入れたい。
ツンとすましているより、おちゃめさんのほうがいいじゃないですか。
そのバランスを、これからも探していきたいと思っています。
いま、昔ながらのケーキを
スワンシュークリームは昭和レトロ。そう聞くと、ふと思い出すのが、黄色いモンブランです。
いまは茶色いモンブランが主流ですが、昔ながらのケーキ屋さんでは、クチナシの実で色をつけて、黄色く仕上げています。
黄色いモンブランといえば、わたしのなかでは、横浜・伊勢佐木町の「浜志まん」。
あそこの生クリームは甘すぎず、軽さと香りのバランスがほんとうに見事だなと、いつも思います。
そして、モンブランはスポンジであるべき。つまり、クリームケーキであってほしい。
そんなことを考えていると、「秋には、自分たちで栗を炊いてモンブランを作ってみたいね」なんて話になりました。
実現するかどうかは、これから次第です。笑
なんだか、スワンの話から栗の話に飛んでしまいました。
でも、季節が変わるたびに、「次はこれを作りたいね」「あれもやってみたいね」と話している。
そんな時間も、MAMEHICOらしいなと思います。
完成したものだけを見ると、一個のシュークリームです。
でも、その後ろには、どうしたらもっとかわいくなるか。
どうしたらもっとおいしくなるか。
どんなふうに食べてもらいたいか。
そんなことを、ああでもない、こうでもないと考えている時間があります。
スワンシュークリームも、あと少しお出しする予定です。
見かけたら、ぜひ食べてみてください。
そして、首を先に食べるか、最後まで残すか。笑
あなたなりの「スワンの食べ方」も、見つけてみてくださいね。















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