御影の秋を歩く│2025年9月
「暦の手帖」も第三作目になりました。
第一作目では映像の撮り方がまるで分かっておらず、第二作目では、毎日歩いている御影の町を、実はちゃんと見ていなかったことに気づきました。
そして第三作目で感じたのは、一本の作品は、一人ではつくれないということ。
今回、一谷美智子さんと歩いたのは、秋の御影の山です。
監督の井川さんは今回も東京から来て、音声を担当するMAMEHICOのお客さんたちも一緒に撮影に参加してくださいました。
静かな映像の、その裏側
ルートを考えたのは、やっぱり井川さんです。
渦森台から本住吉神社奥宮、展望公園、砂防ダム、大林邸の長い石塀まで。
東京にいながら下調べをして、「ここを歩きましょう」と決めていました。
御影で店をやっている僕より、また井川さんのほうが詳しいんです(笑)。
でも、今回は町歩きとは勝手が違いました。
山道なので、とにかくアップダウンがきつい。
カメラも音声機材も抱えて歩くので、思っていた以上の重労働でした。
しかも携帯電話は圏外。ロケ車と合流するだけでも一苦労です。
さらに、この日は蚊がものすごかった。
虫除けなんて気休めで、本番中の井川さんの手には、蚊が何匹も止まっています。
それでもカメラを止めるわけにはいきません。
画面の中では静かな秋の山が流れていますが、そのすぐ横では、みんな必死に蚊と戦っていました(笑)。
僕も、一谷さんを正面から撮るため、後ろ向きに坂を下りながらカメラを構え続けました。
途中から脚はプルプルです。
でも映像を見ると、そんな苦労は少しも映っていません。
一谷さんが気持ちよさそうに山を歩き、草花を見つけて立ち止まり、秋の御影が静かに流れていきます。
映像というのは、不思議なものだなと思いました。
一人ではつくれない作品
そんな撮影を支えてくれたのが、お客さんたちです。
音声を担当する人がいて、車を動かす人がいて、おにぎりや卵焼きを届けてくれる人がいる。
山の中で食べた温かいまかないは、本当においしかったです。
撮影をしているのはカメラの前と後ろにいる数人ですが、その作品は、もっとたくさんの人の力でできていました。
「暦の手帖」は、季節の景色を残す番組です。
でも、振り返ってみると、映っているのは景色だけではありません。
花を見つける一谷さん。
カメラを回す井川さん。
音を録るお客さん。
まかないを作るお客さん。
そして、重いカメラを抱えて必死についていく僕(笑)。
画面には映らなくても、それぞれの役割があって、一つの作品になっていきます。
第三作目を撮り終えて、「暦の手帖」は一人でつくるものではなく、みんなで育てていくものなんだと、少し分かった気がしました。










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