季節を味わう、紫陽花ケーキ

みなさんこんにちは。MAMEHICO東京スタッフの飯塚友美です。
MAMEHICOの「紫陽花ケーキ」、もう召し上がっていただけましたでしょうか。
このケーキは、今では少し珍しくなった、バタークリームのロールケーキです。
ピンク色の紫陽花は、フランボワーズで色づけしています。
「バタークリーム」と聞くと、少し重たい印象を持つ方もいるかもしれません。
でも、北海道産の良質なバターを使い、たっぷり空気を含ませて作るクリームは、驚くほど軽やかで、口の中ですっと溶けていきます。
じめじめした梅雨の季節。そんな時期に、なぜこのケーキを作っているのか。そこには、ひとつ理由があります。
15年前、マメヒコピクチャーズで『紫陽花とバタークリーム』という映画を作りました。
昔の三軒茶屋店も映っていて、今と見比べると、同じ場所なのにどこか違う。そんなところも面白い映画です。
その映画の中に、こんな台詞があります。
「あなたたちは、どこに向かっているのか、と尋ねることは
花よ、あなたたちは何のために咲いているのかと尋ねるようなものではありませんか」
映画を観た当時、まだ20代だった私は、この言葉に強く心を掴まれました。
「どう生きればいいんだろう」
「自分は何者なんだろう」
そんなことばかり考えていた時期でした。
頑張らなきゃ。人の役に立たなきゃ。そんなふうに、いつもどこか力が入っていた気がします。
でも、紫陽花は、そんなこと考えずに咲いている。
雨に濡れて、陽を浴びて、ただ伸びたい方へ伸びていく。
道端に咲く花たちは、誰かのために咲こうなんて考えない。
ただ、その場所で、のびのびと咲いているんですよね。
映画を最後まで観終わった時、
「そっか、生きることに、そんなに理由を探さなくてもいいのかもしれない」
そんなふうに思えて、ふっと肩の力が抜けたのを覚えています。
梅雨って、少し立ち止まりたくなる季節です。
なんとなく気持ちが重たかったり、自分の行き先がわからなくなったり。
そんな時に、この紫陽花ケーキを食べながら、ぼんやり雨を眺めてもらえたら。
あの時の私のように、今、自分の生きる意味を探している途中の誰かに、そっと届いたらいいなぁ。
そんなことを思いながら、今日も紫陽花ケーキを作っています。

しっとりした午後に、
コーヒーと一緒に楽しんでいただけたら。





