9月8日で、MAMEHICO神戸・御影は4周年を迎えました。
4年もやっていると、季節が一周するたびに「ああ、去年もこんなことを言っていたな」と思うことが増えてきます。今年も暑い夏が終わって、朝晩が少しずつ涼しくなって、ようやくカフェらしい季節になってきました。
お店を始めたころは、僕とみゆきの夫婦二人だけでした。お客さんがほとんど来なくて、一日の売上が5,000円くらいの日もありました。仕込んだものは余るし、もう十分きれいな店内をまた掃除したりして、それでも時間が余る。
暇なら仲良くできそうなものですが、なぜかそういう時ほど夫婦喧嘩になるんですよね。笑 あのころは、このお店をどうしたら続けられるのか、そればかり考えていました。
それから少しずつスタッフが増えて、お客さんが増えて、お店でいろんなことをするようになりました。駅前でチラシを配ったり、近所のお店に飛び込んでMAMEHICOの話をしたり、朝6時に深田池でラジオ体操をやったり。最終的にはスタッフみんなで祝詞まで唱えていました。もう神頼みです。笑

そうやって4年が経って、今では少し違う光景があります。このシルバーウィークも、たくさんのお客さんが「おてつ隊」としてお店やマフィン工房を手伝ってくださいました。
洗い物をしてくれる人がいて、マフィンの袋詰めをしてくれる人がいて、「次これやっとくね」と僕がお願いする前に動いてくれる人までいる。以前からお店を知ってくださっているお客さんが、山のような洗い物を手伝いながら、ふと「すごい店になったね」と言ってくれたことがありました。
その言葉が、なんだかずっと残っています。
売上が大きくなったから、すごいお店になったということでもないと思うんです。お店が広くなったわけでも、ものすごい設備が入ったわけでもありません。ただ、関わってくれる人が増えた。それが一番大きく変わったことなのかもしれません。
一方で最近、ひとりで来てくださるお客さんも増えてきました。今までは友達や家族と来ていた方が、ある日ひとりでふらっとやってきて、本を読んだり、仕事をしたり、勉強をしたりしている。
話してみると、「ひとりで来るの、ちょっと勇気がいりました」と言われることがあります。そんなことないのにね。でも、それを聞くとちょっと嬉しいんです。
MAMEHICOに深く関わって、おてつ隊として一緒にお店をつくってくれる人もいる。一方で、誰とも話さず、ひとりで静かに珈琲を飲みに来る人もいる。どちらも同じように、このお店をつくっている人なんじゃないかなと思います。
お店を始めたころは、当然ですが「僕たちのお店」だと思っていました。家賃を払って、料理を作って、掃除をして、鍵を開けるのも閉めるのも僕たちです。でも4年経った今、「本当にそうなのかな」と思うようになりました。

毎週のように来てくれる人がいて、花を持ってきてくれる人がいて、洗い物をしてくれる人がいる。ひとりで静かに本を読みながら、いつもの席で時間を過ごす人もいる。そういう人たちの時間が積み重なって、少しずつ「この場所」になっていく。
店って、誰かひとりが作るものではないのかもしれません。かといって、みんなが何かを手伝わなきゃいけないわけでもない。関わりたい人は関わればいいし、ひとりでいたい日は、ひとりでいればいい。
そのどちらも受け止められる場所になれたら、それが本当の意味での「居場所」なのかなと思っています。
5年目に入ったMAMEHICO神戸・御影。これからこのお店が誰のものになっていくのか、僕にもまだよくわかりません。
でも、僕たちだけのものではなくなってきた。それだけは、少しわかる気がしています。




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