「マフィンをください」と、お店に来られたお客さまに、「どれにしますか?」そうお聞きして、ついキョトンとさせてしまうことがあります。
またやってしまった、と思いながら、慌てて「お取りしますね!」と続けます。
お客さまからしたら、棚に並んだマフィンはどれも同じように見えますよね。
でも、このマフィン日記ではおなじみになってきましたが、よく見ると、マフィンひとつひとつには個性があるんです。

焼き色がこんがりついた子もいれば、やさしい色の子もいる。
まっすぐな子もいれば、少し傾いている子も。
秋に入って生地の様子も変わり、夏との違いをしみじみ感じます。
誰が焼くかによっても、仕上がりは少しずつ違うんです。
きつね色が均一で、模様もキリッとついた美人なマフィンは、大切な方への贈り物に選びたくなります。
いつもたくさんのマフィンを見ているマフィン隊のみんなとも、よく話します。
コロンとお行儀のいい子が好きな人もいれば、元気に膨らんだ子が好きな人もいて、好みが分かれて本当に面白いです。
ちなみに、私が自分用に選ぶのは、ちょっぴり個性のある……
表面がちょっとだけ「おブスな子」。
スムーズに型から離れず、作り手が時間をかけて丁寧に少しずつ外し、商品としてお届けできるかを確かめ、やっとの思いで包装までたどり着いた、愛おしい子だったりします。

そんな裏側のドラマのことを考えているから、つい「どれにしますか?」と聞いてしまうのです。
規格の揃った野菜や、パックに入ったお肉やお魚、寸分違わない商品が並ぶことに慣れている私たちにとって、こうした手作りならではの違いは、小さくて豊かな選択肢なのかもしれません。
もし私がまた店頭で「どれがいいですか?」と尋ねてしまったら。
キョトンとさせてしまうくらいの、そのわずかな違いの中から「どれにしようかな」と一緒に選んでもらえたら、とっても嬉しいです。
そんなMAMEHICOでのものづくりを、これからも大切に続けていきたいと思います。




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