懐かしさをのせたスワンシュー

みなさんこんにちは。MAMEHICO東京スタッフの飯塚友美です。
最近、スワンのシュー生地をずっと焼いています。
MAMEHICOでシューをやるのは今回が初めてのことで、少々苦戦気味…。
オーブンの中の生地が、風船のようにぷくぅっと綺麗に膨らむ時と、そうでない時がある。
同じように仕込んでいるつもりなのに、うまくいく時と、いかない時がある。
最初は、何がなんだかわかりませんでした。
でも始まって3週間。ようやく、シュー生地の声が聞こえるようになってきた気がします。
シュー生地を作るというのは、「風船のような生地を作ること」。
しっかりと水分を含ませ、加熱して、練る。
そうして、水蒸気の力でふくらむ、生地の“伸び”をつくること。
それが腑に落ちてから、シュー生地は少しずつ安定して焼き上げられるようになってきました。
そんなある日、母がお店に来てくれました。
「私、このスワンのシュークリーム、子どものころ憧れて、よく練習したのよ」
そう言って、懐かしそうに話してくれました。
でも、生地がうまく膨らまないことも多くて、途中でやめてしまったのだそうです。
そういえば母は、子どもの頃から集めた昭和のお菓子のレシピ本を、大人になってからも大切にしていて。
娘の私も、キッチンでそれを読むのが好きでした。
母と洋菓子屋さんに行くと、選ぶケーキの中に必ずひとつ、シュークリームが入っていたこと。
父が仕事帰りに、よくシュークリームを買って帰ってきてくれたこと。
話しているうちに、いろんな記憶がつながって、ふと気づきました。
母にとって、シュークリームは、思い入れのあるお菓子だったんだな、と。
昔からある、どこか身近な洋菓子。
誰かにとっては、懐かしい味。
でも、いま改めて作ってみると、うまくいったり、いかなかったり。
優しい顔をして、なかなか難しいお菓子です。
今回お出ししているスワンのシュークリームも、ひとつひとつ、少しずつ表情が違います。
2人でそれぞれ頼んでくださる方も多いのですが、同じテーブルに並んだスワンが、微妙に違う顔をしているのを見ると、なんだか少し可笑しくて、いいなと思います。
その光景が、きっと、昔を知っている方には懐かしく、初めて見る方には少し新しく映るのかもしれません。
テーブルの上に並んだ、ふたつの白鳥。
同じようで、どこか違うかたち。
そんな景色も一緒に、楽しんでいただけたら嬉しいです。








