カテゴリー: 井川のはなし

井川のはなし
井川 啓央

手から手へつなぐ物語

MAMEHICOでは今、各店で「小銭が足りない」という現実に直面しています。もちろん銀行で両替はできるんですよ。できるんですけどね。その手数料が今は驚くほど高いのです。 多くの金融機関では、硬貨を入金・両替する際に「100枚までは無料、101枚目から手数料発生」という仕組みになってる。5円玉を100

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その一歩が店をつくる

MAMEHICOでは、9月と10月に「タダヒコ」という日を設けます。え、「タダ」?──そうなんです。「タダ」なんです。その日だけ、珈琲やデザート、食事のいくつかを無料で提供しようと思ってます。 「タダヒコ」、毎年、毎年、かれこれ10年近く続けてるイベントなんですけど、「なんのためにやってるんですか?

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井川 啓央

声にならない声を

ヨシノの音楽劇『脱走兵と群衆』が、9月と10月に銀座で上演されます。すべてヨシノひとりによる音楽劇です。 それ自体、初めての試みでいろいろと大変なんですけど、今回の上演から、チケット代、鑑賞料についても大きな方針転換をすることにしました。 それは、「鑑賞料も、予約もいらない」と謳うことです。ふらっと

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問題を「問題」にする力

こんなことがありました。事務所で使っていたお櫃が壊れたんですね。もう20年以上前に買ったもので、作っていた桶屋工房もとっくに廃業していて、修理も難しい。なので、「この際、桐生にある桶屋さんで新しいお櫃を買おうか」と、ボクはスタッフに話しました。 するとみんな、「そうですね」と口々にうなずいて、「早速

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ゆるやかな縁のなかで

ボクは「いかひこ塾」っていう、ゆるく続いてる集まりをやってます。今日はその話を少し。 世の中には、いろんな塾や勉強会がありますけど、だいたいは「正しい答えを教える」っていうスタイルでしょう? でもね、ボクは思うのね。いまのヒトたちがほんとうに欲しいのって、「正解」じゃないんじゃないかしらと。 たとえ

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見えなくても踏み出す

先だって、六本木のカフェで珈琲を飲んでいたときのことです。 少し離れたテーブルで、中年の男性が大きな声で話していたんです。年の頃は五十代後半くらいかしらね。話しぶりも堂々としていて、彼のまわりには4〜5人の男女が集まって、熱心にうなずいておられる。 「なるほどですね」「たしかに、たしかに」「目からウ

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関わるということ

東京の街でカフェをやってるボクがいうのも何なんですがね、掃いて捨てるほどカフェがあるけども、ほんとうにそんなにいるんですかね?どの駅前にも、どの通りにも、カフェ、カフェ、カフェ。統計によると、コンビニよりも多いそうです。 しかし、その大半はチェーン店です。スターバックスを筆頭に、「ワタシたちは、サー

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歩む道、続く道

2005年7月1日。三軒茶屋で、小さな店を開いたことが、すべてのはじまりでした。あれから今日で、ちょうど20年です。 これは──分かるヒトにはわかるし、わからないヒトにはわからないという話なんだけれど。 東京でカフェを続けてきて、ボクが一番驚いたこと。それは、実に多くのヒトが、孤独を感じ、居場所も持

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匿名では続かない

しがらみは面倒です。見知った顔ばかりの空間。深い関係を持つと、途端に期待されてうっとうしい。会話の義務、愛想笑いの義務、誘われて断る気まずさ。そういうものが、いちいち発生してくる。 それに比べれば、都会のカフェはなんとも心地よい。誰もが気軽に入れて、誰に縛られることもない。人間関係を持ち込まれること

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節約は思考

MAMEHICOの節約術っていうのは、「どこにお金をかけて、どこを削るか」がちゃんと決まってることです。節約っていうのは、我慢じゃない。選択の積み重ね。要は「思考」だということです。うちでは、無駄なものには徹底してお金をかけません。「とりあえず」で物を買わせない。洗剤やスポンジといった日用品にいたる

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キウイの声

MAMEHICOでは、去年からいろんな果物を扱ってパフェをやっています。その中で、いま出しているのが「キウイのパフェ」です。クリームのコクと、キウイのシャープな酸味、ヨーグルトの爽やかさと、バニラアイスの甘さ、果肉のざらっとした食感が美味しいと、おかげさまで出だしは好調で、ボクたちが思っていたより注

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遠くのtea、近くのcha

ボクはお茶が好きです。MAMEHICOで出している紅茶も、自分の舌で確かめて選んでる。 とくにダージリンには、ボクなりの理想があって、香りの立ち方、水色(すいしょく)、後味まで──これなら、と思える茶葉だけを選んでお店では出してる。 そもそもダージリンというのは、インド北東部、ヒマラヤのふもとの高地