
珈琲がつなぐ手と手
珈琲豆の値段が、ずっとジワジワ上がってきていたんですが、ここにきて、いよいよ「ひどいな」と言いたくなるほどの値上げが、容赦なく来ています。 2024年の終わりには、世界の主流であるアラビカ種の先物価格が1ポンド(約454g)で3.29ドル、つまり500円を超えたそうです。2025年2月には、たった1

珈琲豆の値段が、ずっとジワジワ上がってきていたんですが、ここにきて、いよいよ「ひどいな」と言いたくなるほどの値上げが、容赦なく来ています。 2024年の終わりには、世界の主流であるアラビカ種の先物価格が1ポンド(約454g)で3.29ドル、つまり500円を超えたそうです。2025年2月には、たった1

「うちの会社、このままじゃいけない気がして。会社のなかにいると、ぜんぶ決まってるんです。前例とか、順番とか。それを変えようとすると、和を乱すヒトだと非難されて」 そんなふうにボクに愚痴をこぼしにくる大企業勤めの女性が、最近、増えています(笑)。みんな「いろいろと行き詰まってる」んでしょうか。 安定と

お弁当を作りはじめたのは、コロナ禍がきっかけでした。渋谷のお店に一般のお客さんが来なくなり、常連のお客さんだけが一日中店にいるようになったのです。さすがに珈琲とケーキだけで過ごすのは体に負担があると思い、体に優しい食事を用意するようになったのが始まりでした。やがて、緊急事態宣言とその解除が繰り返され

この夏から、MAMEHICOで新しいドラマを撮る予定です。いまはそのキャストやスタッフを集めて、少しずつ準備を進めているところ。 お客さんやスタッフとの共同作業で、これまでもドラマや映画、演劇をMAMEHICOを使って作り続けてきました。ストーリーやセリフといった脚本の部分は、すべてボクが書いていま

MAMEHICOの料理は、華やかさよりも、確かな味に重きを置いています。派手な盛りつけや、流行りの食材に頼らず、基本の調味料をどう使うか──それが店の味を決めています。見た目は控えめでも、心と体にしみ込んでいく。その味の土台を支えているのが、油、酢、みりん、酒、砂糖、しょうゆ、みそ、塩といった、ごく

映画が今やスマホひとつで誰でも簡単に観られる時代になりました。だから映画館に足を運ぶ人は減っています。「わざわざ出かけるなんて面倒だ」と感じる気持ちもわかります。でも、その面倒の先にあるもの——それこそが、ボクたちが日々カフェという場所づくりを通して伝えようとしている「面白さ」や「豊かさ」なんです。

最近、うちのHPに上がる原稿を、全部チェックするようにしてる。みんなが書いた原稿を一つひとつ読んで添削していると、書き続けるヒトと、途中で書くのを止めてしまうヒトがいるんですね。 書くのを止めてしまうヒトは、まだ途中なのに自分の書いたものを判断してしまうんでしょう。「あっ、こんな文章はダメだわ」と決

東京・銀座で、エトワール★ヨシノのライブがあった。ヨシノが最後に客席に向かってポツポツと話したことば─── ─── 今日は、こうして来てくださって、ありがとうございます。今日、ここに来るまでに、きっといろんな葛藤があったことでしょう。 「家族に見つかったらやばい」「銀座でディナーしてます」と言い訳を

ネットのニュースを見ていたら、こんなことが書かれていました。いわく、「日本人は、他人を他人と割り切れない。だから、つい相手の行動を邪魔したり、足を引っ張ったりしてしまう。そういう意地悪な気質が社会の息苦しさを作り、それが経済の低迷の原因だと、ある研究でわかった」と。 まぁ、幾分、話を大げさにしてるの

これを読む若いヒトへ。 いよいよテレビが終わろうとしている。無論、放送は続くでしょう。けれど、かつて社会のど真ん中に鎮座していたものが、じわじわと隅へ押しやられ、溶けていく今の様子から、もう気骨だったテレビはもとに戻らないのだと、さみしくなる。 ボクが育った団地の家では、朝も夜もテレビの音がしていた

たとえば、チャバタとロデブというパンがあります。東京にはそれぞれのパンを売っているお店があって、ボクもたまに買います。チャバタはイタリア語で「スリッパ」の意味、ロデブはフランスの街の名前です。このふたつ、どちらも外はバリッとして、中はもっちりしたパンで、要はおんなじです。おんなじだけど、名前が違うか

紫香邸に通ってるんですけどね。やってることっていったら、せっせと片付けです。築90年になる古い邸宅を預かってみると、本当に大事なことは「つくること」じゃないな、「保つこと」なんだなってわかる。 何かをつくるっていうのは勢いでできるでしょ。お金があればなおさらね。でもね、保つってのは勢いじゃない。根気