気持ちが行き交う場を

こんにちは。MAMEHICO神戸・御影店長の妻のみゆきです。
先日、MAMEHICO神戸で、エトワール★ヨシノさんのコンサートが上演されました。
昼の部は初参加の方も大勢来てくださり、満員御礼でした。
夜の部は何度もお越しくださっているお客さまが多く、みんなでわきあいあいとおしゃべりしながら、アットホームな空気の中でヨシノさんの登場を待っていました。
そこへ、ふらりとある女性が来られました。
「予約していないんですが、お席はありますか?」と、少し緊張された面持ち。
おそらくお店に来られたのも初めてだったのではないかなと思います。
予約不要を導入してから、当日ふらっと来てくださる方も増えました。
常連の方たちがわきあいあいと過ごされている中、その方はお一人で、後ろの席にぽつんと座られていました。
初めてのMAMEHICO、初めてのヨシノさん。
楽しんでいただけるかな、と気になっていました。
コンサートが進むにつれ、少しずつ緊張がほぐれてきたのか、表情がやわらいでいきました。
笑顔が見えたり、時には手元の歌詞をじっくり読み込んでいたりと、ヨシノさんの世界を楽しまれている様子が伝わってきて、「よかった」と私も嬉しくなりました。
そしてコンサートが佳境を迎えたころ、ヨシノさんが「おうえんコイン」を集めに回られました。
ヨシノさんのコンサートは鑑賞料も不要です。
心に届くものがあったら、そのお気持ちの分、おもちゃのコインを購入していただき、応援していただく仕組みです。
ヨシノさんが歌いながらその方の前に来られたとき、そのお客さまはおもちゃのコインをがさっと手に取り、かごにじゃらっと入れてくださいました。
そのあと、ヨシノさんが力強くもやさしい声で「ありがとね!」と声をかけられたとき、そのお客さまが満面の笑みを浮かべていらっしゃって、私は思わず驚いてしまいました。
少し話は変わりますが、私は以前、フリーで音楽教室をしていました。
レッスン料金を決めるたびに、お金ってなんだろうとずっと考えていました。
MAMEHICOに立つようになってからも、オープン当時は「お高い珈琲ね」と言われることがよくありました。
お客さまに喜んでいただきたくてお店をやっているのに、高いお金をいただくのは違うんじゃないか。
喜んでもらうなら、安いほうがいいんじゃないか。
でも、お店にお金がなくなると、安価な材料しか使えないし、人も雇えない。
私一人で頑張るにも限界があって、疲弊していく。
お客さまに喜んでいただくためには、提供する側も元気で明るくいなければいけない。
そのためには、ある程度のお金をいただかなければいけないんだ。
じゃあ、そのお金をどうしたら気持ちよく払っていただけるんだろう。
そう考え始めていた矢先、あのお客さまの満面の笑みに出会ったんです。
「お高いわね」と言われた珈琲代の何倍ものコインをお支払いして、あんなにも嬉しそうにされているお客さま。
「おうえんコイン」という名前の通り、応援したいという気持ちを自分で表現できて、それを受け取ってもらえる。
純粋であたたかい気持ちのやり取りが、そこにはありました。
本来、お金はそのやり取りのための道具なんだなと、気づかされました。
あのお客さまの満面の笑顔と、ヨシノさんの「ありがとね!」というやりとりは、心の奥に深く刻まれています。
お店を開けて、決して安くはないお金をいただく毎日ですが、あのときのように、あたたかい気持ちが行き交う場をつくれているだろうか。
ふと思い出しては、自分に問いかけています。







