ミルクの甘い誘惑
「ひょっとしてMAMEHICOをお探しですか? よかったら一緒に行きましょう」
そんなセツオさんの案内で扉を開ければ、聞こえてくるのはコーヒーを淹れる音と、お客さまたちの楽しそうな会話。
今回の面白RADIOのテーマは、「甘いミルクの誘惑」です。
牛乳と、給食の思い出
ミルクと言えば牛乳ですが、みなさんは牛乳、お好きですか?
私はそんなに好きというわけでもなくて、どちらかというと「健康のために」と思って飲んでいる気がします。
飲んだあと、どうもお腹がゴロゴロするんですよね…。
これは、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が、体の中に足りないためだそうです。
ただ、小学生のころは給食に必ず牛乳が出てきて、毎日のように飲んでいました。
当時は瓶の牛乳でしたから、給食当番に当たると、牛乳瓶のケースを運ぶのが重たくて、しんどかったのをよく覚えています。
今思うと、牛乳が苦手な子や、体に合わない子もいたと思うんですけど、当時は「給食は残さず全部食べましょう!」みたいな空気があって、みんな当たり前のように飲んでいたように思います。
森永のお菓子、その原点
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする私ですが、そのほかの乳製品は大丈夫で、小さいころは練乳が大好きでした。
思い返してみると、練乳が食べたい、というより舐めたい? ために、缶切りが上手になったんじゃないかと思うほどです(笑)。
森永のミルクキャラメルや、明治のクリームキャラメルも大好きでした。
子どもながらに、一粒食べるだけで元気百倍になるような気がして、遠足のおやつを買いに行くときには、必ず選んでいました。
そんな乳製品を日本に広めた人の一人に、森永太一郎という人がいます。
銀のエンジェル、金のエンジェルでおなじみの、あの森永製菓の創始者です。
森永太一郎さんにとって経営は、施しと誠実を実践する場だったそうです。
関東大震災の直後にも、「神さまとお客さまへのお返し」と言って、幹部の反対を押し切り、倉庫のストックを日比谷公園で無償配布したというエピソードには、大変感銘を受けました。
お菓子の向こうにある、誠実
また、森永太一郎さんの話を聞いていて、私はMAMEHICOのマフィン工房のことを思い出しました。
私はいま、週に二回、工房でマフィンの計量と梱包のお手伝いをさせてもらっています。
MAMEHICOのマフィンは、一つひとつ手で焼いていて、素材にもこだわっています。
森永さんが経営の芯に据えていた「誠実」という言葉と、どこかつながるものを感じます。
素材にこだわり、安心して召し上がっていただけるものを作ること。
それが、「お客さまに自信を持ってお勧めしたい」という気持ちにつながっているのだと思います。
そして、素材の計量は、実に細かな作業です。
一グラム単位の違いにも気を遣いながら、みんなで計量しています。
材料を正確に量り、決められた手順を守り、焼き上がったものを一つひとつ確認して梱包する。
どの作業も、決して派手ではありません。
でも、こういう細かな作業を毎回きちんとやるからこそ、お客さまに安心して食べていただけるものになるんだろうなと思います。
だからこそ、お客さまから「美味しかった」という言葉をいただいたときには、その一つひとつの作業まで褒めてもらったような気がして、「これからも頑張ろう!」という思いにさせてもらえるのかもしれません。
その一粒、一個の向こう側
日本で牛乳が広く飲まれるようになって、およそ150年。
その背景に、信仰と理念を経営の芯に据えた森永さんのような方の存在があったことを、今回のラジオで初めて知りました。
子どものころ、ミルクキャラメルを一粒食べると、元気百倍になったような気がしていた私ですが、もしかすると「甘いミルクの誘惑」というのは、ただ甘くておいしいから惹かれる、というだけではないのかもしれません。
その向こう側には、それを作る人の思いや、食べる人に元気になってほしいという願いがある。
そんな思いが、時代を超えて、私たちの胸に届いているのかもしれませんね。





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