紫香邸と神戸のクラファンが始まりました

紫香邸は築100年へ!神戸はマフィンのお福分け便!

1秒と2秒は、倍

飯塚 友美2026年10月24日

先週末、三軒茶屋の街では、世田谷大道芸のお祭りがありました。
コロナでいったん静まってしまったこのイベントも、今年はようやく賑わいを取り戻したように感じました。
お店の中にいても、外から聞こえてくる音がなんとも賑やかで、街全体がお祭りの空気に包まれていました。

MAMEHICOにも、朝から晩まで、たくさんのお客さんがいらっしゃいました。
小さなお子さんを連れたご家族。
いつもの常連さんが、ご両親を連れて来てくださったり。
お子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、三世代でいらっしゃるご家族も。
久しぶりに、お客さんが途切れることのない一日でした。

街に活気があるって、いいことだなぁ!
そんなふうに嬉しく思う一方で、これだけ忙しいと、私たちのお店の課題もよく見えてきます。
そのひとつが、「スピード」です。

大先輩の日野さんは、本当に1秒も無駄にしません。

例えば、珈琲2杯の注文を画面に入力するとき。
「1」のボタンを2回押すのか、「2」を1回押すのか。

アイスカフェオレに最後のお酒を垂らすとき。
手元で垂らすのか、提供する位置に置いてから垂らすのか。

作業台を拭くとき。
一度で拭き上げるのか、何度も往復するのか。

どれも、ほんの1秒にも満たないような違いです。

でも、日野さんが1秒でやることに、私が2秒かけていたら。
同じ作業を繰り返したとき、日野さんが1時間で終わる仕事に、私は2時間かかる計算になります。
たかが1秒。でも、1秒と2秒では、倍の違いなのです。

以前の私は、たった1秒の無駄に顔を真っ赤にして怒る日野さんを見て、
「たった1秒のことで、そんなに怒らなくてもいいじゃない」なんて思っていました。
でも、そう思っている間は、本当に成長しませんでした。

1秒と2秒は倍。
そのことがようやく腑に落ちたとき、背筋が凍るような気持ちになりました。

例えば、1分に1秒ずつ無駄にしていたとしたら。
いや、実際はもっと無駄にしていると思いますが……。笑

その1秒の無駄は、

1日で、24分。
1週間で、約3時間。
1ヶ月で、半日分。
1年で、約1週間分。

あぁ、恐ろしい。
こりゃ、日野さんも顔を真っ赤にして怒るわけだ……。

でも、今回の大道芸のように、朝から晩までお客さんが途切れない日には、その1秒の違いが、いつも以上に大きく感じられます。
一つひとつの作業は小さくても、何十回、何百回と繰り返すうちに、大きな差になる。

もちろん、ただ急げばいいという話ではありません。
急いだ結果、盛り付けが雑になったり、接客がおろそかになったりしては、意味がない。

できるだけ無駄をなくし、必要なところを丁寧に。
その両方ができるようになりたいものです。

さて、お祭りが終わった街は、またいつもの日常に戻りました。
何事もなかったような顔をして、みんなそれぞれの日常に戻っていく。
この、ちょっと寂しい感じまで含めて、お祭りなのかもしれませんね。