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厳しさが育むものもある

河村 聡美2026年09月20日

みなさんこんにちは。MAMEHICOメンバーの河村聡美です。

紫香邸では「庭づくり遠足」という、MAMEHICOメンバーが集まって庭作業をするイベントが定期的に開催されています。
私はいつもそこに、5歳の娘と2歳の息子を連れて参加しています。

今回は、その遠足で、5歳の娘と店主の井川さんが紫香邸の裏庭に野菜の苗を植えた時のお話です。

娘と井川さんの関係をひと言で表すなら、丁稚の小僧と頑固な親方。
親方からは容赦のない指導がビシバシと入ります。
令和のやさしい価値観のなかで育つ娘にとって、昭和の頑固親方は、まさにカルチャーショック。
私もどちらかというとビシバシいくほうではあるのですが、男性、しかも頑固親方系は娘にとって未知の存在だったので、完全にビビっていました。

そんな緊張状態のまま、作業が始まります。
まずは「株間(かぶま)」といって、苗を植える間隔を決めていくのですが、ここでさっそく頑固親方から厳しい指導が入ります。

「ちょうど両腕を広げた幅が株間になるんだぞ」
「これはお前の仕事なんだ。だからしっかりやるんだ」

そう教わるのですが、そもそもビビっていて頭の中はパニック状態なので、うまく両腕が開かない。なぜか片方の腕が閉じてしまう。それで叱られる。

「わかったか」
「はい……」(蚊の鳴くような声)
そして、声が小さくてまた叱られる。

それでもめげずに作業を続け、終わる頃には、最初よりはずっと大きな声で返事をして、なんとか株間も取れるようになっていました。

このような「いいからやれ」という昭和式の指導は、今の価値観からすると厳しいようにみえるかもしれません。
でも、子どもを子ども扱いせず、一人の人間として役割を与える。
そして、子どももその役割を果たしてみる。そういう経験を通して、自分に自信を持てるようになっていくんだと思うんです。

「やりたくないならやらなくていいのよ」というのは、一見優しそうにみえて、本当はとても厳しい言葉ではないでしょうか。だって、「やるかやらないか」が子どもの責任になってしまいますから。
そして、子どもには、大人の「ほんとはやってほしい」という思いも、言葉にせずともきっと伝わっています。子どもを侮ってはいけません。
だから、「やらない」という選択は大人の期待を裏切ってしまうことになりかねない。これは子どもにとって重いことです。

それに、子ども自身にも「任された役割をやり遂げたい」という思いは、きっとあるんじゃないでしょうか。でも、上手くできるかわからなくて不安だったり、ちょっとわがままを言って甘えたくなったり、いろんな気持ちが混ざってなかなか手が動かない。
そんな所ではないでしょうか。

そんな子どもの背中を多少荒っぽい方法で押すのが、昭和の頑固親方の「いいからやれ」です。
今の世の中、こういう荒っぽい方法は嫌われがちです。
でも「あなたのやりたいようにやればいいのよ」と口では言いながら、大人の望む方向にそれとなく誘導していくというやり方は、ちょっとジメッとして嫌だなと思ってしまいます。
だから、令和のこの時代にこういう機会があるって、とてもありがたいことだなと私は感じています。

今回のお話は前にも一度記事にしたことがある内容なのですが、振り返ってみるとまた思うことがあり、こうしてまた触れてみました。

というのも普段子育てのことってあんまり書いたり話したりしないんです。
子育てについては本当に色々な考え方があるので、あえて自分からは話さないのが無難と思ってしまうところがあって。
でも今回あえてこういうふうにこの場を借りて今の気持ちを文章で残すことができてよかったなと思っています。

それでは今回はこのへんで。みなさんごきげんよう。