紫香邸 暦の手帖|絹の道と銅の道

紫香邸のお客さんの、りかこさんが、春の道草。
よもぎを摘みに、里へ入ります。
群馬県みどり市。渡良瀬川が流れる山あいの町に、「神戸」という駅があるんですよ。
こうべ、ではなくて、ごうど、と読む。わたらせ渓谷鐵道の、小さな無人駅です。
その駅前に、花桃が咲くんです。約300本。
鉄道と平行に走る街道を、「あかがね街道」といいます。
あかがね、というのは、銅のことですね。その道の先には、足尾銅山がある。
江戸時代、足尾の銅は、日光東照宮や江戸城の屋根になり、寛永通宝というお金にもなりました。
その銅を、渡良瀬川沿いに、舟で江戸へ運んだ道なんです。いまも、宿場町の名残が残っています。
渓谷沿いを歩いていくと、桑の木がまだ残っていました。
かつてこの山では、養蚕がさかんで、農家が桑を育てて、蚕を飼って、繭をとる。
その繭は桐生へ降りて、生糸になって、横浜から船で、アメリカへ渡っていったんです。
銅を運ぶためにできた足尾鉄道は、養蚕農家にとっては、繭を桐生へ運ぶ足でもあったわけです。
銅の道と、絹の道。このふたつが、同じ一本の線路の上を、走っていたんですね。
昭和30年代に化学繊維が広まって、養蚕は、衰えていきました。
桑畑が消えて、製糸所が消えて、1973年には、銅山も閉じてしまった。
銅と生糸という、二つの花形を失って、町は、静かに縮んでいったわけです。
廃止されかけた路線を、地元のヒトたちが守って、いまのわたらせ渓谷鐵道になりました。
鉄道の社員と、その家族が、自分たちの手で、花桃を植えたそうです。
さて、春のMAMEHICOといえば、よもぎです。
葉っぱの裏が白くて、ふわりとしていて、匂いで、すぐにわかる。
りかこさんは、それを摘んで、袋に入れて、トロッコ列車に乗りました。
桐生のMAMEHICO紫香邸で、よもぎを洗って、茹でて、餅をこねる。
できたよもぎ大福は、香りがよくて、美味しかったです。
ぜひ、次は一緒に、道草をしましょう。

よもぎを摘み、トロッコ列車に揺られ、紫香邸へ。
映像の中に流れる、
ゆったりとした時間をぜひご覧ください。






