みなさん、こんにちは、MAMEHICOメンバーの河村聡美です。
時にお客さんとして、時にお手伝いとして、ひとりの時もあれば、子どもたちを連れての時もある。こんなふうに、いろいろな関わり方ができるのが紫香邸の魅力です。そんな紫香邸に私はどんな面白さを見いだして、ついには足繁く通うようになったのか。今回はそんなことを書いてみたいと思います。

まず紫香邸がどんな空間か少しだけご紹介を。
紫香邸は、某財閥のお嬢様が結婚相手である群馬大学の教授先生と一緒に暮らすために建てられたお屋敷。その後何人かの持ち主に引き継がれ、紫香邸になる前はしばらく空き家で、使っていなかった期間もあったそうです。だから、最初にお掃除に入った時はどこもかしこもホコリだらけ。「ここがほんとうにお店になるの!?」と心配になるほどでした。
でも、MAMEHICOのスタッフ、お客さんが何回も桐生に通い、風を通し、ホコリを拭い、床を磨き、草を抜き、家具や小物を誂えていてゆくと、お屋敷はだんだんとかつての姿を取り戻してゆきました。当時の職人さんが丁寧な仕事で建てたものなので、造りは驚くほどしっかりしていて。水回りや電気系統に手を加えた以外は、ほとんどそのままの状態で使っています。
古いけれど、凛としていて美しい。爽やかな風が通っている。そこにいると背筋が伸びる。
私にとって紫香邸はそんな場所です。

だから、紫香邸にいるときは紫香邸という場所に相応しい人になりたい。凛とした人でありたい。そんなふうに思います。特にお手伝いとして入るときは、お客さまをお迎えする立場なので、私も紫香邸の一部として、その場に相応しい存在でありたいのです。
しかし、言うのは簡単だけど、実際にそうなるのはなかなか難しいもので・・・。どうしても私のガサツな部分が出てしまう時があるんですよね。
例えば歩き方。紫香邸の廊下って結構軋むんですよ。造りがしっかりしているとはいえ、もうすぐ築百年を迎える建物ですので。雑に歩くと、ギシギシ、ドタドタと音が鳴ってしまいます。急いでいる時なんて特にそう。
これをね、音が鳴らないように歩きたいんですよ。でも、音が鳴らないようにおそるおそる、抜き足差し足歩くのはなんか違う。そうじゃなくて、キビキビしてるんだけど音は鳴らない、そんな歩き方が理想なんです。
こんなふうに思うことってなかなかないです。子育て、家事、仕事、日々いろいろなことに追われていると、歩き方に気を配ることなんてありませんから。むしろ、普段はドタドタ歩いてナンボ、効率重視で駆け抜けてゆくという感じでやっております。だからこそ、こんなふうに「凛とした人でありたい」と思わせてくれる紫香邸という場所は、私にとって大切な場所なのです。

そうそう、「群馬の桐生にある甘味処に通って時々お手伝いしてるんだ」と言うと、「子育ても仕事もあって忙しいだろうにどうして通っているの?しかもダンナに子ども預けてまで」と聞かれることがあります。ホントそうですよね。おっしゃる通り。私もそう思います。
でも、この忙しさに追われるだけの日々の先に何があるのか。いったい私は何を目指しているのか。もしかしてこの先には何もないのではないか。こんなことが時々フッと頭によぎる時があります。
だから、そんな私を立ち止まらせてくれる場所、「私はどんな人でありたいの?」と考えるきっかけを与えてくれる場所として、私自身が紫香邸を求めているのかもしれません。そういう力が、このもうすぐ築百年を迎える建物にはあると思うのです。

さて、今回はひとりでお手伝いに入るときのお話を書かせてもらいましたが、紫香邸は子どもを連れて行っても楽しいですし、ご年配のお客さまもたくさんいらしていて、まさに老若男女におすすめの場所です。それと、日々ダイナミックに変化している庭! 今後は今回とは違った切り口で紫香邸をご紹介できたらなと思います。
それではごきげんよう!


