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新しい分野への挑戦

面白可笑ひことは、MAMEHICOで行っている、お客さんとスタッフが一緒になって作る舞台です。
9月19日(土)には、MAMEHICO銀座で、9月21日(土)には、桐生市・有鄰館で開催します。

銀座で開催される演目のひとつに、「イヤイヤ女」という作品があります。
何を言われても感じよく謙遜し、結局は何もしてくれない女性のお話です。

自分のことなのに、演じられない

実は今回、その「イヤイヤ女」にワタシが配役されました。
つい先日、井川さんから、
「お前もこの芝居、出るから!でも心配しないで。いつも通りのシホで大丈夫な脚本にしたから!」
と、笑顔で台本を渡されました。

開いてみると、そこにいたのは普段のワタシ。
スタッフのことをよく見ている井川さんだとは知っていましたが、まさかここまでそのままとは思わず、驚いたのを覚えています。

「いつも通りでいいなら、まあ大丈夫だろう」と、楽観的に思いながら始まった稽古。
ところが、そう簡単な話ではありませんでした。

この前の練習では、面白可笑ひこや井川作品で長年活躍しているセツオさんが、指導に来てくれました。
何度読んでも、自分では変えているつもりなのに、なかなか伝わらない。

するとセツオさんが台本を置いて言いました。
「このイヤイヤは、コミュニケーションのイヤイヤだから。
今のままじゃ会話の通じないサイコパスだよ!
シホはそうじゃないでしょ、もっと相手と会話して!」
その言葉に、圧倒されました。

イヤイヤ女の姿が、つまりワタシのことですが、セツオさんの中では、はっきり見えていたのです。

帰り道、自分のことを書かれた役なのに、なぜこんなにも難しいのだろうと考えました。
たぶん、理由は恥ずかしさです。
ありのままの自分を出すことは、思った以上に怖い。
「こんなふうに出していいのかな」という迷いが、表現を固くしていたのだと思います。

でも、これは舞台の上だけの話ではない気がします。
私たちは普段、自分の気持ちをそのまま表現しているようで、案外できていません。
本当はいろいろ感じているのに、しれっとしている。
ちゃんとやらなくちゃ、と緊張して、体が固くなっていることもある。

そう考えると、舞台の上で思いきりイヤイヤすることは、案外、自分を出す練習なのかもしれません。

面白可笑ひこでは、お客さんも出演者も一緒になって笑います。
笑っているうちに、張りつめていたものが少しほどける。
そして舞台を見終わったあと、ほんの少しだけ、生きやすくなっていたらいい。
大袈裟かもしれませんが、ワタシはそんなふうに思っています。

いやいやいや…。
こんな素敵な舞台に関わらせてもらえて、本当に嬉しいです。
9月19日、ぜひ会場でお会いしましょう!