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愛のらっきょう

らっきょうの甘酢漬け

らっきょうはエネルギーの塊。作業をしていると、部屋中がらっきょうの匂い、エネルギー?に包まれて、「あぁ、今年もクラクラする」と周りのスタッフがよろめくほどです。

工程はいくつもあって、時間もかかります。ただ、難しいことはひとつもありません。手早くやらなければいけないところと、じっくり待つところ、その二つを区別できれば失敗しない仕事です。

MAMEHICOでは毎年6月に漬けます。そして8月から、メニューのカレーにも添えてお出しするようになり、皆さんにお福分けとしても提供します。

作り方

1. 手でちぎる

連なったらっきょうを手でちぎる

2つの玉が連なっているものがあるので、それは手でちぎります。収穫したてのものは、早く処理しないとどんどん芽や根が伸びてきます。とにかく手早く。モタモタしてると季節が過ぎます。

2. 根と茎を切る

包丁で根と茎を切り落とす

根と茎を切り落とします。切りすぎると身がバラバラと崩れるので、際で止めます。捨てないでなにかに使えないか?そんなこと考えてる暇あったら、とっとと先に進んでください。

3. バットにあける

下処理を終えたらっきょうのバット

切り終えたものをバットに移します。切りくずは捨てます。この時点で、生命力をすごく感じて、弱い方だと気あたりするかもしれません。らっきょうのパワーをひときわ感じるときです。

4. 流水で洗う

流水でらっきょうを洗う

流水で洗って、砂や薄皮を落とします。水に触れている時間を短くすることが、食感を良くするコツです。ためた水につけっぱなしにしてチンタラやらず、ぱぱっと済ませます。

5. 水を切る

洗い上がった白いらっきょう

ザルにあけ、しっかり水切りをします。薄皮が取れて、真っ白になります。市販のと違って、細いのと太いのが混じりますが、気にしないことです。家で食べるんですから、いろんなのがあっていい。

6. 熱湯に10秒

沸騰した鍋にザルごと浸す

鍋にお湯を沸かし、沸騰したららっきょうをザルごと入れて10秒ほど。殺菌します。長く入れると火が通って、あのシャキシャキがなくなります。数えながらやります。

7. 湯を切る

湯切りしたらっきょうを竹ザルに盛る

湯切りしてザルに開けます。ここまでが、急ぐ工程です。象牙色したらっきょうは、きれいでしょう。らっきょうは五葷・五辛で、仏教で修行の妨げになるとして、お坊さんが食べることを禁じられたもののヒトつです。

8. 容器に詰める

煮沸殺菌した瓶にらっきょうを詰める

煮沸殺菌した容器に入れます。長く置くので、ここは手を抜きません。らっきょうに含まれるアリシン(硫化アリル)は、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。ポークカレーと食べるのは理にかなってますね。

9. 塩水を注ぐ

瓶に塩水を注ぐ

この塩は、味をつけるために入れるのではありません。らっきょうの表面にはいろんな菌がついていて、そのうち乳酸菌だけが塩に強い。塩水に沈めることで、それ以外の菌が動けなくなります。

10. 2週間、乳酸菌発酵を待つ

塩水に漬かったらっきょう

約2週間、冷暗所に置きます。乳酸発酵を待つ時間です。泡が上がってきて、匂いが変わります。急ぎたくても、ここ!と思えるところまで待つこと。しかしまぁ、らっきょうの屁(ガス)が出て、部屋が臭いこと臭いこと。

11. 時間をかけて塩を抜く

流水にさらして塩抜きする

発酵が進んだら、流水にさらします。どの程度さらすかは好みですが、割と時間がかかります。ただし塩は抜きすぎないこと。少し塩分が残るくらいで止めるといい。甘酢に負けません。

12. 甘酢を作る

鍋にきび砂糖と千鳥酢を合わせる

千鳥酢ときび砂糖を混ぜ、少し加熱して溶かします。煮立てません。酸味が飛んでしまいます。砂糖が完全に溶けたら止めて、冷まします。熱いまま注ぐと食感が落ちます。砂糖の量や酢を変えれば、味わいが変わります。

13. 瓶に小分けする

小瓶にらっきょうを詰める

塩が抜けたらっきょうをザルにあけ、しっかり水切りをして、瓶に小分けします。開けたら早めに食べきりたいので、大きな瓶にまとめず小分けにするほうが使いやすいです。瓶は使い回せますが、フタは新品で。

14. 甘酢と唐辛子を加えて密閉

輪切り唐辛子と甘酢を加えた瓶

唐辛子は辛さのためではなく、味を締めるため。甘酢は最初のうち表面だけに入っていて、中心まで届くのに時間がかかります。ひと月ほど置くと、切ってみたときの色が均一になる。そこからが食べどきです。

おいしく作るために

  • 手早いところと、待つところを分ける
    下処理から湯通しまでは急ぐ。塩漬け・塩抜き・味の浸透は気長に待つ。この切り替えができれば、あとは自然にうまくいきます。

  • 水に触れる時間を短く/食感を決めるのはここです。洗い桶にためて放置したりしない。相手は生き物です。

  • 湯通しは10秒/殺菌と表面の引き締めが目的で、火を通すためではありません。

  • 塩は抜きすぎない/少し残っているほうが、甘酢が入ったときに味が立ちます。というけれどこの塩梅が、毎年難しい。

保存と食べどき

小分けにした瓶が並ぶ

密閉して冷暗所へ。開封後は冷蔵庫で保存します。

食べどきは二回あります。出来立てのシャキシャキとしたフレッシュ感があるとき。そして時間が経って、しっかり味が染み渡ったとき。どちらもの美味しさがあるので、一瓶を早めに開けて、もう一瓶を置いておく、という食べ方をおすすめします。

残った甘酢の使い道

らっきょうを食べ切って残った甘酢も、調味料として使えます。冷やし中華のタレのベースにすると、これがよく合います。最後の最後まで余すことなく楽しめるのが、このらっきょうの魅力です。

おわりに

カフェとらっきょうってあまり結びつかないものですが。季節の食材を扱うこと、季節の手仕事を自分たちでやってみることを続ける中で、自然とらっきょうをつけることもMAMEHICOの大切な年間行事になりました。

密かにMAMEHICOのらっきょうファンは増えつつあります。毎年購入されてる方は、6月に入ってすぐに「そろそろらっきょうの時期だよね、今年も取り置きお願いね」と連絡をいただくほどに。

今年もようやく甘酢とともに瓶詰めできました。ようやくみなさんの元へお届けいたします。