著者: 井川 啓央

正解なきレシピ

今週末、紫香邸で「限定で洋食屋をオープンします」のイベントをやります。今回の目玉は、ハンバーグ。これしかない。2月にも同じ企画でやったんだけど、そのときも、子どもも、大人も、お年寄りも、なぜか二つ返事でハンバーグを頼む。 […]

しずかなる功労者たち

去年の秋から、ちょこちょこ桐生に通っては、紫香邸の庭をせっせといじっています。そんなに広い庭じゃないけど、ほっておけばすぐにジャングルになる。忙しいだの、いまやろうとしてたとこだの、そんな甘っちょろい言い訳は、植物には一 […]

創造とは過剰

今年に入って、ほとんど息つく暇がないんです。桐生では庭いじりと補修。毎月ある面白ラジオの脚本と収録、それに編集。御影では新作メニューづくりに加えて、イベントの仕込み。さらに、これまで手が回らなかったメンバーシップの仕組み […]

珈琲がつなぐ手と手

珈琲豆の値段が、ずっとジワジワ上がってきていたんですが、ここにきて、いよいよ「ひどいな」と言いたくなるほどの値上げが、容赦なく来ています。 2024年の終わりには、世界の主流であるアラビカ種の先物価格が1ポンド(約454 […]

変わる前に整える

「うちの会社、このままじゃいけない気がして。会社のなかにいると、ぜんぶ決まってるんです。前例とか、順番とか。それを変えようとすると、和を乱すヒトだと非難されて」 そんなふうにボクに愚痴をこぼしにくる大企業勤めの女性が、最 […]

お弁当がつないだもの

お弁当を作りはじめたのは、コロナ禍がきっかけでした。渋谷のお店に一般のお客さんが来なくなり、常連のお客さんだけが一日中店にいるようになったのです。さすがに珈琲とケーキだけで過ごすのは体に負担があると思い、体に優しい食事を […]

誰かとつくる

この夏から、MAMEHICOで新しいドラマを撮る予定です。いまはそのキャストやスタッフを集めて、少しずつ準備を進めているところ。 お客さんやスタッフとの共同作業で、これまでもドラマや映画、演劇をMAMEHICOを使って作 […]

見えないところこそ丁寧に

MAMEHICOの料理は、華やかさよりも、確かな味に重きを置いています。派手な盛りつけや、流行りの食材に頼らず、基本の調味料をどう使うか──それが店の味を決めています。見た目は控えめでも、心と体にしみ込んでいく。その味の […]

静かに響く

映画が今やスマホひとつで誰でも簡単に観られる時代になりました。だから映画館に足を運ぶ人は減っています。「わざわざ出かけるなんて面倒だ」と感じる気持ちもわかります。でも、その面倒の先にあるもの——それこそが、ボクたちが日々 […]

自分の歩幅で

最近、うちのHPに上がる原稿を、全部チェックするようにしてる。みんなが書いた原稿を一つひとつ読んで添削していると、書き続けるヒトと、途中で書くのを止めてしまうヒトがいるんですね。 書くのを止めてしまうヒトは、まだ途中なの […]

わたしは、わたしのままで

東京・銀座で、エトワール★ヨシノのライブがあった。ヨシノが最後に客席に向かってポツポツと話したことば─── ─── 今日は、こうして来てくださって、ありがとうございます。今日、ここに来るまでに、きっといろんな葛藤があった […]

いる、ということの力

ネットのニュースを見ていたら、こんなことが書かれていました。いわく、「日本人は、他人を他人と割り切れない。だから、つい相手の行動を邪魔したり、足を引っ張ったりしてしまう。そういう意地悪な気質が社会の息苦しさを作り、それが […]