著者: 井川啓央

透明感と迫力の声

エトワール★ヨシノのライブが続いています。先日も神戸でライブがありました。ボクのライフワークでもあるエトワール★ヨシノについて、スタッフの女の子がこんなことを書いてくれたので、紹介します。 こんにちは、MAMEHICO神戸・御影スタッフの水野知帆です。先日、シャンソン喫茶の女店主・エトワール★ヨシノさんのライブが御影店でありました。今日はそのエトワール★ヨシノさんを、みなさんにご紹介しようと思いま

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変わり続ける

ボクたちMAMEHICOは来年で20周年です。この20年、経営的にはいつも大変でした。 東京オリンピックが決まった2013年、東京の再開発が加速し、渋谷の街はどこもかしこも建築ラッシュとなり、そこにもってして2014年には消費税8%、2019年に10%、2020年からコロナ禍、東京オリンピックの延期、緊急事態宣言、マンボーヤンボー、ずっとMAMEHICOは乱気流に巻き込まれた飛行機のようでした。

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正しさの名の下に

東北の田舎駅で、列車を待つ間、古い小さな喫茶店に入った。店の奥の席に付き、珈琲を頼んだ。老いた女性のマスターがやる気なく下がっていった。 その店は、静かな店内に音楽もかけず、カウンターの中、テレビがぽつんと点いている。ワイドショーが賑やかに騒いでいるなか、老婆が珈琲を淹れている。 店内は、重たい空気が漂っている。この街も、大きな時代の変化に耐えきれない未来が訪れることを、市民もみな察知しているのだ

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特別じゃない自分

「お店のことを、考えれば考えるほど、やっぱり私はいない方がいいと思ってしまって身動きがとれないのです」っていうメールが届いた。スタッフからだ。 どうも「自分がいなくなれば、物事は解決する」って考えるやつが多い。「そもそも、自分なんてちっぽけな存在でしかない」という視点が、テレビを見ていても、広告を見ていても欠けてる。まっ、そんなこと言ったら物は売れないか、ぼんやりと思う。 だけど。さんざん、「特別

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進化できる場

MAMEHICOでは毎月1,000円の会費をいただいて、サブスクリプション型のコミュニティを運営しています。もともと、街中のカフェだったカフエ マメヒコが、MAMEHICOという形でコミュニティを立ち上げることになった数年。やってきて見えたことが、たくさんありました。やるかやらないかなら、やってよかったなと思っています。 そもそも、コロナ禍でお客さんの足が遠のいてしまったことがきっかけです。「いざ

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やりたい、やる、できる

歴史家の塩野七生さんの言葉に「歴史に親しむ日常の中で私が学んだ最大のことは、いかなる民族も自らの資質に合わないことを無理してやって成功できた例はない、という事であった」というのがあるんです。 塩野さんのおっしゃる成功というのは、勝ち負けのことだと思います。歴史において勝ち続けた者が成功者であり、栄華を一日でも続けた国こそが覇権国です。これは戦の世界、勝利にこだわり続け傷ついた男たちを幾冊も書かれて

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神様の大掃除

MAMEHICOもね、毎日、朝から晩まで掃除です。神社のように掃除してほしいとスタッフには言ってますから、宗教団体だと思われるかもしれません。笑 若い子に言うんですよ、「汚れたから掃除をするんじゃないよ、汚れないように掃除をするんだよ」と。 掃除って、つまり「お祓い」です。日々営業してたら、色んなヒトが店にその「穢れ」を落としに来るんですから、店を続けていくとき、「お祓い」はとても大事だとボクは思

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おばさんおじさん

いまジェンダー論が賑やかだけれど、ボクは自分のことを「おばさんおじさん」だと思っている。 ボクはいま50歳だから、正真正銘の「おじさん」である。若作りしようとも思わないし、たまに自分の写真を見て、白髪だらけで小太りの自分が写っていて、ほんとにお気の毒なほどの「おじさん」で笑ってしまう。 で、「おじさん」部分はそれとして、「おばさんおじさん」の「おばさん」部分はなんなのか。小学生の頃を思い返してみる

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数字の魔法

「それにしても、あのコロナ騒動、終わったような終わってないような感じですが、なんだったんですかね。あとから振り返ると、相当でたらめだった気がしますよ」とボク。 すると数秘術にお詳しい先生が、ボクのほうを向いて、こう諭してこられました。 先生「あのですね井川さん。たとえば『369』。こちらの数字。これはですね、『369』、ミロクという意味でございます」 ボク「ミロク?弥勒菩薩のことですか?」 先生「

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自然を信じる

常日頃、キレッキレのナイフが欲しいと思ってる。ところが、ある朝起きると、玄関先に子供の頭ほどの石が「どでん」と置いてある。ん?誰が置いた?なんとなーく家に運び入れて、台所の隅に置いてみる。 その日の午後、道を歩いていたら、なんと!!空から錆びた菜切り包丁が降ってきた。怖っ。あっぶねー。 どちらも望んでないのに、同じ日に、我が家にやってきた石と包丁。台所の片隅で、しばらく放っておく。 決まっていた予

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MAMEHICOの道(タオ)

飲食店が生き残るハウツー本なるものが本屋にずらりと並んでいたので、パラパラっと立ち読みしてみました。コロナ後の飲食店、そのあり方が厳しくなってるって書いてありました。そのなかでも「カフェとバーは商売として続けていくのが、極めて難しい」とも書いてあった。 なんでも。「誰でもできる商売の筆頭がしら」がカフェとバーなんだそうです(たしかに淹れるだけ、混ぜるだけ)。誰でもできるものを提供して、商売として成

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木陰で麦茶を

「平家物語」を少年のとき読んで、印象に残った箇所がある。それは、平清盛が晩年、突然の高熱に見舞われたときのエピソードだ。清盛の高熱は、ちょっとやそっとではなかった。今の医学だとマラリヤだったろうと言われている。 その清盛を冷やそうと、家臣たちは水風呂を用意した。清盛を冷まそうと浸けると、なんと、瞬く間に水風呂はボコボコと熱湯になったというのだ。このエピソードを読んだボクは、子供心に「まっさっかーっ

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