11月からの銀座店は曜日ごとに表情が変わります

初日は11/3 「火曜の一皿」ご予約お待ちしています

10年経って、わかること

飯塚 友美2026年10月31日

先日、懐かしいお客さまが三茶店に来てくださいました。

10年ほど前、渋谷の公園通り店に、夜ごとのように通ってくださっていた方です。
今は地方に移住されていますが、東京に来るたびに、MAMEHICOに立ち寄ってくださっているそうです。

久しぶりにお話ししていると、こんなことをおっしゃいました。

「今、世の中を見渡すと、あのとき井川さんが言っていたことが、全部本当になっていますよね……。

当時は、恥ずかしながら、何をおっしゃっているのか理解しきれないことも多かったんです。
でも、あのときMAMEHICOで浴びていたことが、今になって効いています。

ここは、わたしのメンターです。
ここに来ると、何も変わっていない安心感があって。
いや、哲学が変わっていないことって、かなり稀ですよね。

わたしも、頑張ろうって思えます。
今日、来れてよかったです」

そんなふうに思ってくださっていたんだ!
私は、びっくりしました。

10年前、毎晩のように通ってくださっていたことは覚えています。
でも、その時間が、こんなふうにその方の中に残っていたとは、思ってもいませんでした。

当時はよくわからなかった言葉も、何年も経ってから、ふと腑に落ちることがあります。
別の場所で暮らし、経験を重ねるなかで、あのときの言葉が自分のものになっていく。

お店を続けていると、目の前のお客さまに何を届けられているのか、わからないことも多いです。
だからこそ、10年経って、こんな言葉を聞けたことがうれしかった。

お店を続けるために、変えていかなければならないことはたくさんあります。
それでも、変わらずに持ち続けているものがある。

久しぶりに訪れた人が、それを感じてくれたこと。
長く続けてきたからこそ、伝わることがあるのですね。

昨日のお客さまの言葉を聞いて、毎日お店を開けていることの意味を、あらためて考えました。