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日曜日は焼きたてを

池田 さくら2026年08月05日

焼き上がりのタイマーを止めて、オーブンを開けると、庫内に立ち込めていたはちみつとバターの甘い香りが、工房いっぱいに広がります。

「はぁ〜!いいにおい!」

マフィンを型から出したとき、表面がツヤツヤと光って、くっきりとクグロフの形が現れていたら大成功。その姿と香りに、毎回しあわせな気持ちになります。

食べてみると、焼き目はちょっとサクッとしていて、これがとっても美味しいんです。
玉子たっぷりの生地のほわほわ感と、じんわり広がるバターの風味。
そのバランスが絶妙で、あっという間に食べ終えてしまいます。

「あと3個はいける!」
いつもそう思ってしまいます。

この焼きたてのおいしさも、お客様に味わってもらえたらいいな。
そう思って井川さんに、
「焼きたてマフィンをお店でお出ししたいです」
と相談しました。
返ってきた答えは、「それは反対」でした。

このマフィンは、焼いてから数日経った頃に一番おいしくなるよう、設計されたレシピです。
実際に、たくさんのお客様からも「日が経つほどおいしい」と声をいただいています。

遠くへ届けるためのマフィンだから、焼きたてを売りにはしない。
そして、お店には、その日に味わってほしいデザートが並んでいる。
そう教えてもらい、「なるほど」と納得しました。

…でも、工房では毎日、何度も焼きたての香りに包まれます。
そのたびに、
「やっぱり、このおいしさも届けたい」
という気持ちは消えませんでした。

思い切って、もう一度相談してみると、井川さんから返ってきたのは、
「じゃあ、モーニングマフィンをやるといいよ」
という言葉でした。

やったー!
カランカラーン!
焼き上がりを知らせるベルも用意しました。

こうして、神戸・御影店では焼きたてマフィンが始まりました。
毎週日曜日、朝10時ごろの焼き上がりです。

モーニングで焼きたてマフィンを召し上がって、熟成したマフィンをお土産に。
同じマフィンでも、こんなに表情が違うんだ。
そんな驚きを、ぜひ味わっていただけたらうれしいです。