連続ドラマ「ノッテビアンカ」のこと⑧vol.3-2

こんにちは!MAMEHICO東京スタッフの池田玲菜(れいな)です。
年明けからM=HicoでYouTube連続ドラマ『ノッテビアンカ』を紹介しています。
『ノッテビアンカ』では、OSSEKKAIカフェの店員「ハルエ」役を演じています。

この回の後半12分間は、カフェでの女性3人の雑談シーン。
その中に、台本8ページにもわたる長いシーンがあります。それも、ほぼ私の独白。
初めて台本を開いたとき、ずっと自分のセリフが続いているのを見て、思わず冷や汗がにじみました。
ページをめくっても、めくってもシーンが終わらない。
「こんなに長いセリフ、覚えられるかな?」と、不安でいっぱいでした。

けれど、実際に練習を始めてみると、驚くほどスラスラと言葉が入ってきたんです。
こんなに長いのに、覚えるのが全然苦にならなかったのです。
おかげで撮影でもほとんどNGを出さずに進めることができて、「自分でもこんなに覚えられるんだ」と驚きました。
スタッフのみんなには「レイナ、すごいね!よくあんな長いセリフ覚えられたね!記憶力いんだね」と褒められました。

あれから3年が経って、いま改めてドラマを見返してみると、これができたのは井川さんの優しさでしかないなと思います。

撮影当時の私は、ちょうど大学を辞めるかどうかを迷っている時期でした。
周りからは「せっかく良い大学に入ったんだから、卒業したほうがいい」と言われ続けていました。
でも、このまま進んでもダメじゃないかと、ずっとモヤモヤしていたんです。

井川さんは人の話を聞くのが上手です。忙しくても、どんな相談にでもつき合ってくれます。
くだらない女子高生の恋の話から、健康を案ずる老人の話まで。笑
いつも姿勢を変えずにふむふむと聞いている井川さんの姿をお店でもよく見かけます。
ドラマ「ノッテビアンカ」は、そんなよろず相談室の井川さんが、いろんな人から直接聞いたはなしを下敷きに、脚本を書いているドラマなのでリアルなんです。

私も相談してみたいと思ってました。だけど、最初は怖いなとか、恥ずかしいなとか尻込みしていたんですが、大学を辞めるかどうかという大きな選択を迫られたので、思い切って、「あの実は最近こんなことを思ってるんですけど」と打ち明けてみたのです。

そう、その時の言葉が私が演じるハルエちゃんの言葉だったのです。

あのセリフは、当時、まさに私自身が心のなかに秘めていた言葉そのものでした。
「大学に戻ったら?戻らないと後悔するよ」という親やたくさんの友人たちに向けて、本当はちゃんと伝えたかったことなのです。

だけど実際の私は、ドラマのようにスラスラと思っていることを言うなんてできません。
思っていても、言葉にするのが怖いのです。変に受け取られたら嫌だなと思い、笑ってごまかしてしまうタイプなのです。
井川さんはそんな私の性格をよくよく知っています。
だからフィクションという形で、私の本音を「言わせ」てくれてたんです。
ドラマを通して、私は自分の気持ちを口にすることができました。
それがあのときの私にどれほど救いになったか、言葉では言い尽くせません。 

親に不自由なく育ててもらった私は、答えはひとつしか無い、最短ルートを見つければ勝てる、と信じていました。
あのまま大学にいたら、今もそういう考えのままだったと思います。
MAMEHICOでの日々は、「すぐに答えを求めるんじゃない、本質的な問いを立てろよバカ」と毎日叱られます。
自分の未熟さに向き合わされるキツイ毎日です。

でも、大好きなドラマをみんなで作ったり、ましてや出させてもらって、そのセリフを通して「自分と向き合える」なんて場所、ほかにどこを探してもないんです。
MAMEHICOにいると、自分で考えてやれるから、叱られても自信がつきますし、それが楽しい。

あれから3年経って、キツイけどますます頑張ろうと思うし、表面的ではない井川さんの優しさにも、いつも感謝しているのです。

 

連続ドラマ「ノッテビアンカ」
全8話(vol.1〜8 Act.1,2,3/24回)
vol.3 Trigger Act.2 こちらから
YouTube再生リストはこちらから

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