こんにちは。MAMEHICO東京スタッフの飯塚友美です。
すっかり12月。
春から企画してきた「食の会2024」も、12月で最終回を迎えます。
12月の食の会のテーマは「黒豆を煮る」です。
MAMEHICOでは、豆を煮る、が日常です。
店内で提供している黒豆の甘煮は、まず、乾物の状態で、砂糖水を吸水させます。
そこから、4日かけて、低温でゆっくりと火を入れていきます。
砂糖水で吸水させるのは、ちょっと珍しい方法なのですが、こうすることで、豆の芯まで味が染み込んでくれます。
ゆっくり、時間をかけて煮た黒豆はねっとり、ふっくら。とっても美味しいのです。
「美味しい黒豆」を煮るには、レシピを守ることも大事ですが、それ以上に、火加減と水加減の管理がとても重要。
黒豆はなるべく低温で、ゆっくりと火を入れ続けたいので、火にかける際には、煮汁の水面が波打たないように気をつけます。
全体がぼんやりと温まり、ふつっと湯気がたったところで火を止めるのがコツです。
この火入れをする際、気が急いていると、ボコボコと水面が荒く波打つまで、温度を上げ切ってしまうことがあります。
大抵の場合、それは、豆を火にかけて放置したまま他の作業に追われている…、そんな瞬間に起こります。
(こうなっちゃうと、ただでさえ焦っているところに、豆の煮汁がコンロにベタベタに流れ出し、掃除に追われる始末…。もう最悪です…。笑)
もしくは、夏の暑い日に、急にたくさんのクロカンの注文が入り。
「次に出す黒豆がまだまだ硬い!」と、焦ったスタッフが、強火で火を入れる。そんな時にも、起こります。
(何せ、本来、4日かけて仕上げるものなので、お客さんが急にやってきたから、といって、黒豆に「急げ」って言っても、限界がありまして…。煮豆の出数管理は、本当に難しいです。)
ボコボコと沸かしてしまうと、煮汁に空気が入ることで、煮汁が酸化します。
そうすると、酸っぱくて、なんだか、「ギシギシ」とした味になってくるんです。
こういう状態になってしまった黒豆は、とても食べられたもんじゃなくて。
本当に残念だけれど、こころを鬼にして、全て破棄しなくてはならない時もあります。
また、ボコボコと沸かして、水が蒸発すると、砂糖水の濃度が濃くなっていきます。
こうなると、いくら豆に火を入れても、どんどん硬くなっていく。
この現象に出くわすと、経験の浅いスタッフは、ドツボにハマります…。
「柔らかくしたくて、急いで煮ているのに!!!」
煮れば煮るほど、豆は、硬くなる一方なのです。笑
加減がわかっているスタッフであれば、水量が減ってきたら、少し水を足したりしながら、豆の柔らかさを微調整できるのですが。
「このくらい足せばいいよ」というのはその時によって全然違うので、言葉で説明することが難しいんですね。
みんな、毎日毎日味見する過程で、だんだんと水加減と火加減を心得ていき、ふっくらとした黒豆を炊けるようになっていきます。
食の会では、井川さんが面白可笑しく煮豆のお話をします。
どうやって作っているのかはもちろんのこと、クロカンのことや豆を栽培していたときのお話なども出てくるかもしれません。
MAMEHICOの食の雑学をお楽しみくださいね。