こんにちは。MAMEHICOスタッフの草ヶ谷美香です。
この秋のデザートに登場したアップルパイ。
今日はそのパイ生地のお話です。
パイ生地って、大きく分けて「練りパイ」と「折りパイ」の2種あるんですが、MAMEHICOのアップルパイに使っている生地は「練りパイ」の方です。
小麦粉とバターを、粉の粒子感をキープしたまま混ぜ、そこに水分を加えて、ひとかたまりの生地にしていくのが練りパイ。
その呼び名とは裏腹に、作る時に決して練ってはいけないので、慎重に且つ手早く仕上げるのが美味しく作るコツです。
小麦粉って練ることでグルテンという粘り気のある成分が出てくるのですが…、練りパイはそのグルテンを極力出さずに作ることで、焼き上がった時にザクっとした食感が生まれるんです。
ちなみに、もう一方の折りパイの方は、練りパイとは逆に小麦粉をあえて練ってグルテンを出した生地を作って、その生地でバターを包み、それを伸ばしては折って、伸ばしては折って。
その繰り返しで小麦の生地とバターが幾重にも折り重なった状態になり、焼いたときに薄い紙のような層が綺麗にできる、というもの。
パリっとした食感が際立つのが折パイで、一般的にパイと言って想像されるのもこちらの方じゃないかなと思います。
どちらのタイプの生地だったとしても、パイは結局のところ食感が命!なので、生地を作る時は極力涼しいキッチンで、手早く進めます。
カレーを作ったり、オーブンでケーキを焼いたりし始めるとキッチン内の温度はどんどん上がってくので、MAMEHICOでは朝一番の、空気が冷たいうちにパイ生地を作るようにしています。
バターが少しでも溶けると仕上がりが変わってしまうので、途中でちょこちょこ冷蔵庫に入れながら、オーブンに入れるまでは一定の冷たさをキープして扱うように気をつけます。
そんなこともあって、MAMEHICOではパイを使ったメニューは真夏には登場しないのです。
…と、ここまで書いてきて、パイって細かなコツがあり、きちんと作らないとなんだか全くの別物になってしまう、っていうことは確かなんですが…。
以前、パイが上手にできないと、スタッフ間の話題に出ていた時。
「そもそもアップルパイってアメリカを代表するお菓子。型にばばっとパイ生地を敷いて、具材を乗せて、焼く!それだけでしょ。たくさんのアメリカのママたちが子供たちのために日常で作れるんだから、難しいハズない!」
って、井川さんが言ったんです。
井川さんが身振り手振り付きで話すものだから、脳内には「さぁみんな、美味しいパイが焼けたわよ〜」と満面の笑みのママ像が再生され(笑)、「確かにそうか〜!」とそのときすごく納得した記憶があります。
それ以来、私はパイを焼くときにその言葉を思い出しては、アメリカのママになった気分で作ることにしています。笑
おおらかだけど愛情溢れ、美味しいものを届けたいというのが、そのママの気持ちでしょうから、その気持ちまで真似して、これからも美味しいを皆さんにお届けしたいと思います…!
面白RADIO12月号
「リンゴとアップルパイ」がテーマです。