こんにちは、MAMEHICO神戸・御影スタッフの水野知帆です。
私がMAMEHICOで働き始めて、衝撃の連続ですが、最近衝撃を受けたのは、「面白RADIO」という、常識を覆すような番組の存在です。
一体何が、この番組を特別にしているのか。
それは、私たちが当たり前だと思っている「場所」という概念を解きほぐしてくれるような、驚きの創造性にあります。
普通のラジオといえば、プロのアナウンサーが原稿を読み上げ、一方的に情報を伝える媒体。
でも、MAMEHICOの「面白RADIO」その枠を超えて、これまでの常識を心地よく裏切ってくれるんです。
この番組の最大の特徴は、聴く人と作る人の境界線が存在しないこと。
オーバーツーリズムのような社会問題を扱いながら、聴いているうちに、番組で語られた場所に実際に行きたくなるような、魔法のような魅力があります。
そんな面白RADIOですが、聴く人と作る人の境界線だけでなく、作る人との物理的な距離という境界線をも無くしてしまいます。
最近あった、私を驚かせたエピソードをお話ししますね。
それは10月の面白RADIOでのこと。
好評を収めた初回に次ぐ収録ということで、みんなが内容を期待する中、なんと突然、店長のシゲさんから、店長の奥さん・みゆきさんが収録に参加することになったと言うではありませんか…!
しかし収録は東京で行われているはず。一体どうやって参加するの?
その答えは、みなさんも普段よく使っている、チャットを用いたリモート収録でした。
店長のシゲさんは、台本の台詞をスマートフォンで録音し、音声データをチャットで送信。
そしてそこから始まったのが、番組のクリエイター・井川さんによる、言葉だけの繊細な演技指導です。
「ヨッシャー!」
たった一言の短い台詞。
これを井川さんは「職人がついにたどり着いたみたいな」「店の向かいの和食屋の大将だと思って」と、驚くほど具体的で私たちがイメージしやすい言葉で演技の方向性を示していきます。
何度もテイクを重ねながら、最終的に生まれたのは、最初のみゆきさんの音声とはまるで違う、奥深い一言。
これが、チャット上で生まれる「井川マジック」と呼ばれるものなのです。
コロナ禍以降、音楽業界ではリモート収録が広まったと聞いたことがあります。
しかし、チャット上で演技指導?それもビデオ通話ではなく、ただのテキストチャットで?これは明らかに、常識を超越しています。
テクノロジーは単なる道具ではなく、人間の創造性を解き放つ翼なのだと感じました。
北海道の片田舎で生まれ育った私は、MAMEHICOに出会うまで、「場所」にこだわっていました。
何もない田舎が嫌で、都会に強く憧れを抱いて出てきましたが、何だか日々モヤモヤしていました。
田舎は窮屈で、都会こそが自分の求めるすべてだと信じていたんですね。
しかし、MAMEHICOで学んだのは、場所など本質的には意味がないということ。
大切なのは、たった一人の情熱と創造性なのだということを、MAMEHICOの井川さんを見ていて気づきました。
その場面を、神戸という土地にいながら感じることができた、そんな最高の一日でした。
MAMEHICOは、単なる飲食店ではありません。
美味しい食事を提供するだけでなく、共通の体験を生み出す、サードプレイス。
面白RADIOは、その精神を体現する最高の例と言えるのではないでしょうか。
来年は神戸でも収録予定と聞きました。一体どんな風になるのか。
ついに、その現場を生で見られる日が近づいていて、今からとても楽しみです。
面白RADIO12月号
「リンゴとアップルパイ」がテーマです。