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珈琲を出したと思ったら

ポットの中身が…

忘れもしない、肌寒い秋の午後。
私はドリンク担当で、次々と入るオーダーを作っていました。

MAMEHICOでは珈琲やお茶をお出しするとき、まずポットにお湯を入れて温めます。
お茶を蒸らしているポット、珈琲を淹れたポット、お湯を入れて温めたポット。
目の前には白いポットがずらりと並びます。

いつもなら必ず中身を確認し、味見をしてからホールのスタッフへ渡します。
ところが、その日の私は慌てていて、「これは珈琲だ」と思い込み、お湯の入ったポットを渡してしまったのです。

ふと手元を見ると、淹れたての珈琲がそのまま残っていました。

頭が真っ白になりました…!
慌ててお客様が口をつける前に珈琲をお持ちすることができ、ことなきを得ましたが…。
今でも、そのときの先輩スタッフの何とも言えない表情は忘れられません。笑

何も見ていなかった

あのとき私が見ていたのは、白いポットでした。
中身を見ているつもりで、実は「きっと珈琲だ」という自分の思い込みを見ていたのです。
そして、本当に向き合うべき相手は、お客様だったのだと気づきました。

忙しくなると、人は「見ているつもり」になってしまうことがあります。
でも、本当に大切なのは、目の前のものをきちんと見ること。
その当たり前のことを、あの日の失敗が教えてくれました。

「それでも、楽しく生きていく。」
これはMAMEHICO代表の井川さんの言葉です。

あの日の失敗も、きっと今の自分をつくっている。
今日も失敗しながら、それでも楽しく生きていこうと思います。