暮らしと、仕事と

こんにちは。MAMEHICO神戸・御影店スタッフの水野知帆です。

井川さんが毎週配信しているメルマガの中に、「プロフェッショナル」というエッセイがあります。
そこには、「日々の生活の姿勢がそのまま店での仕事に出る。だから、家でも店と同じように過ごしなさい」と書かれていました。
この言葉が胸に残り、最近は、店での暮らし方を家でも取り入れるようにしています。

例えば、家で玄米を炊くときも、店で使っているのと同じ圧力鍋を家にも用意して、毎日のように炊いてみています。
店で毎日炊いているんだから、家でもきっとおいしくできるはず、と思っていましたが、なかなかうまくいきません。

というのも、やはり店と家では環境が違うんです。
店では業務用のガスコンロを使っていますが、家のコンロは家庭用。
弱火で15分、と店と同じようにやっても、家では安全装置が働いて勝手に火が消えてしまうんです。
何度も火をつけ直すのが面倒になり、少し火を強めたら、今度はおこげができてしまいました。

店では「炊き時間やコンロのつまみの位置よりも、音や火加減を耳と目を使って覚えて」とよく言われます。
圧力鍋から抜ける蒸気の音や、弱火にしたときの微妙な変化は、文字にすることもできません。
その場でメモを取ることもできず、ただ頭を抱えたことを覚えています。

最初はもっと親切に教えて欲しい!という甘い考えも頭をよぎりましたが、家でうまく炊けない経験を繰り返す中で、その言葉の真意がようやく分かりました。
他人から言われた通りにやるのではなく、どんな時でも自分なりに考えてやること。それが大切なことなんだと気づいたのです。

そして、失敗して蓋を開けて焦げたご飯を見ると、店がある方向から「やり直し!」という声が聞こえてくる気がします。
思わず「すみません!」と小声で謝りながら、その自分に少し笑ってしまいます。

一人暮らしなら、焦げようが水加減を間違えようが、誰にも文句を言われません。
「まあいっか」と思えば、それで済ませられることもあります。
でも、それでは自分を律するのが本当に難しいのです。
だからこそ、店の声が心に響いてくるこの状況が、私にとってはありがたいことなのかもしれません。

それでもやっぱり、実際に店に行って井川さんや他のスタッフの顔や声に触れると、自分の中で聞こえていた「やり直し!」の声よりも、もっと勢いのある声が飛んできて、「ああ、やっぱり本物は違うな」と、毎回思い知らされます。
そうやって少しずつ、店でも家でも続いていく日々を良くしていこうとする中で、プロフェッショナルに近づいていっている気がしています。

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