こんにちは。MAMEHICOのなかじゅんこと、なかがわじゅんこです。
もう10年近く、MAMEHICOで、毎日なにかしらを作っている私です。
さて、かなり昔のことになりますが、MAMEHICOでは、ちょっと変わったレアチーズケーキをお出ししていたことがあります。
クリームチーズとサワーチーズを、固く立てたメレンゲと合わせて、2日ほど水切りしたレアチーズケーキです。
生地をスプーンですくい、グラハムクッキーの上に三つのせ、仕上げにレモンの皮を削って、はちみつをくるりとかけるというもの。
召し上がったことのある方は、「あれは美味しかったなぁ」と懐かしく思い出していただけるかもしれません。
かくいう私も、あのチーズケーキがとても好きでした。
それからチーズケーキは、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。
いろんなかたちに進化して、2025年の今は、二層仕立てのチーズケーキになりました。
きっかけは、2024年春に御影MINIで販売をスタートしたテイクアウト用のレアチーズケーキです。
最初はクリームチーズだけで作っていましたが、井川さんの「カマンベールも入れてみたら?」というひとことで、北海道・早来町のチーズ工房から届くカマンベールチーズを加えることに。
ハタケマメヒコのころから10年以上お付き合いのある、家族経営の信頼できるチーズ屋さんのものです。
コクと塩気がしっかり効いて、味に奥行きが出ました。
さて作り方ですが、まず一層目は、砕いたグラハムクッキーに溶かしバターを混ぜ、型にぎゅっと敷き詰めます。
その上にチーズ生地を流し込み、140℃の低温で、ふるふると揺れるくらいに焼きます。
この「ふるふると揺れる」は、「ふるふる」と「揺れる」という私の感覚であって、きちんと言葉で説明できるものではありません。
でも、この見極めひとつで、冷めたあとの仕上がりがまったく違ってしまうのです。
焼けたら、冷蔵庫できちんと冷やし固めます。
二層目は、「フロス」と呼ばれるサワークリームベースのものをその上から重ねて、さらに冷やして出来上がりです。
これをきれいにカットすると、微妙に違う白い二層の断面が現れて、「美しい!」となるわけです。
書くのは簡単ですが、いつものとおり、井川さんとの試作は失敗の連続でした。
カマンベールを入れると聞いて、最初は丸々ひとつ入れてしまったことも。
「お前は王様か」と井川さんに叱られました。
カマンベールは高級品なのです。
その後、ほうじ茶を加えたバリエーションもできて、御影MINIで1年近く販売しています。
人気商品のようで、何よりです。
そして今では、東京のお店でもこのチーズケーキを提供するようになりました。
あれこれ試して、ようやくたどり着いた今のかたち。
それでもまた、きっといつか、少しずつ変わっていくのだと思います。
今日も、誰かの「おいしい」が聞けますように。
