わたしは、わたしのままで

東京・銀座で、エトワール★ヨシノのライブがあった。
ヨシノが最後に客席に向かってポツポツと話したことば───

───

今日は、こうして来てくださって、ありがとうございます。
今日、ここに来るまでに、きっといろんな葛藤があったことでしょう。

「家族に見つかったらやばい」
「銀座でディナーしてます」
と言い訳をしてきた方も、いるかもしれない。

なぜそんなにも、コソコソと。
まるで罪を犯すような気持ちで、私に会いに来なければならないのか。

たぶん、それは──
私が、わかりやすくないからです。

世の中には、自分さえよければと、誰かの気持ちを平気で踏みつけて、それでも堂々としているヒトがいます。
そういうヒトを、少しだけ、うらやましく思うことがあります。

彼らはきっと、お金のためとかどこかで割り切れているのです。
家族のためとか、生活のためとか──
そうやって、割り切ることができるのです。

社会で生きていくためには、本音をしまって、空気を読み、角を立てずに、笑って、適応して、「ちゃんとした人」を演じる。
そうやって、わかりやすくしていなければ、社会では生きていけない。
私だってね、そんなことくらい流石にこの歳ですもの、知っています。

でも私は、割り切れなかったのね。
態度と口は荒っぽいけれど、本当は、なるべくヒトを傷つけたくないと思ってしまう性格です。
外見は美しいとは言えないけれど、心は美しいです。
厳しいけれど、優しい。

いろんなものが混ざりあった、わかりにくい人間なのです。
私は、それでいいと思ってる。
私は、私のままを隠さないと小さい頃に決めたのです。

でもね。
本来、人間なんて、みんなわかりにくいものでしょう。

みなさんは今日ここで私に会って、ずっと隠してる何かが──
少しだけ動いてしまってるかもしれません。

「自分なんかが、ヨシノを見に行ってもいいのだろうか?」
そんなふうに思いながら、コソコソと来てくれたヒトもいるかもしれませんね。
どうぞ、ライブに来てください。
私は、そういうあなたに向けて、歌っているんです。

あなたが、社会の理不尽に泣いているのなら、私が代わりに歌ってあげましょう。
あなたが、社会の暴力にやられているのなら、私が代わりに4発、単純でいい気になってるバカをぶん殴ってさしあげます。

それが、私の役目なんです。

またどこかで、お会いできたら。
それまで、どうか、お元気で。

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