エトワール★ヨシノの歌に「アナタノトナリ」という曲があります。
このメロディ。「虹と雪のバラード」という歌にそっくり、と指摘されて、はじめて気がついたんです。
なぬ?と聞いてみると、、、「!?」。
本当に似ていて、自分でも驚いちゃった。
これ、ボクが無意識のうちに作っていたということなんですが、調べてみるともっとびっくりしたことがわかったんです。
「虹と雪のバラード」はトワ・エ・モアが歌った1972年札幌オリンピックの公式テーマソングでした。
ボクは1973年、札幌オリンピック村のあった真駒内で生まれ、3歳まで過ごしてるんです。
そして当時、母は札幌オリンピックの会場で、ボランティアスタッフとして働いていたというのです。
すっかり老けてしまった母に「ところでこの曲、覚えてる?」と「虹と雪のバラード」を聞かせたところ、「覚えてるもなにも、今でも耳から離れないわ」と言うではありませんか。
ボクがお腹の中で浴びるほど聞いた曲を、どこかボクの記憶に残っていて、驚くほど似てしまった歌を作ってしまったということなんです。
さらに「虹と雪のバラード」の作曲は、「翼をください」で知られる村井邦彦さんです。
ボクは村井さんの曲が昔から好きでしたし、我らが瀬尾一三さん(笑)を見出された方でもありますから。
思わぬところで深く縁がつながっていたようで、不思議な気持ちになりました。
さて。「ヨシノ友の会」が始まっています。
それに合わせて、ボクのほうでも新しい企画を考えているんです。
いま考えているのは、エトワール★ヨシノの歌詞のなかから、心に残ったフレーズをみんなで持ち寄り、その中から10個を選ぶというものです。
選ばれたフレーズは、気の利いた写真と合わせてポストカードにしたいと思っています。
そんなんでヨシノの歌詞を読み返しているんですがね。
「アナタノトナリ」はメロディは「虹と雪のバラード」とそっくりですが、謳ってる世界は全く違います。
歌詞のなかに「アナタノトナリにはア・ナ・タがいる」という一節がある。
誠実にやってきたつもりでも、ヒトが離れていくことってありますね。
事業がうまくいかずお金に困ったときとか、組織の腐敗に正義感から声を上げたときとか。
周囲は潮が引くようにいなくなり、誠実を尽くしたつもりでも自暴自棄になりそうになる。
そんなときでも、「アナタのいちばん近くには、アナタ自身がいるのよ」ってそんな歌です。
どんなときでも、自分だけは自分のそばにいるんだよと。
当たり前のことを歌った、当たり前の歌です。
昔、あるヒトが禅僧に「自分探しの旅の途中です」と話したという説法があるんですね。
すると禅僧はこう返した。
「ほう。では、探している自分と、探されている自分。そのどちらが本当のアナタでしょうか」と。
本当の自分を探す自分も、探されている自分も、どちらもアナタ自身なわけです。
その二人を別々のものだと考えるから、苦しくなってしまうのかもしれません。
「どちらも自分」と受け止めたらいいのかもしれません。
いまの世間では、「説明できる自分」を持つことが強く求められがちです。
アナタは何がしたいのか。アナタは何者なのか。
それをはっきり言えなければ大人ではない、という空気さえある。
でもね。ボクが思うにですよ。
成熟とは、ひとつの自分を固めることではなく、曖昧な見方ができるようになることではないかしら。
うれしい、悔しい、ムカつく──感情のままの自分。
一歩引いた視点で見ている自分。
白か黒かですぐ裁かず、清い部分も濁った部分も、ひとつの自分として抱えられるようになる。
それが、ボクが思う大人です。
過去にヨシノのライブに来て、ヨシノの言葉や歌に心が動いたみなさん。かなりいらっしゃると思います。
そんなみなさん、ぜひ「ヨシノ友の会」に来ていただきたいと思います。
特別なことをする会ではありませんが、ヨシノの言葉を静かに共有しあうことで、また新しい仲間ができるはずなんで。
「アナタノトナリにはア・ナ・タがいる」。ご参加お待ちしています。

日時:12/4(木)19:00〜21:00 @神戸
12/14(日)11:00〜13:00 @銀座
12/25(木)18:00〜20:00 @銀座
会費: 無料(ワンドリンクオーダー)
申込み: お電話または店頭でスタッフまで



