こんにちは、MAMEHICO神戸・御影スタッフの水野知帆です。
MAMEHICOで働いていると、さまざまな食器に触れる機会が多いです。
その中には「取扱注意」の食器も多く、その代表が、お冷用に使っている薄張りグラスなのです。
手に持つと、持っているのかいないのかわからないほどの(それは大げさかもしれませんが)薄さ、その繊細さが素敵なんですが、私は触るたびに冷や汗が出ます。
だって、しょっちゅう割ってしまっているから(汗)。
下がってきたお冷グラスは、ひとつひとつ手のひらでそっと包み込むようにして洗います。
グラスを傷つけないよう、柔らかい専用のタオルを使うことになっています。
グラスの内側を指先で支えながら、タオルで円を描くように丁寧に。
縁の部分は特に薄く壊れやすいので、力を入れすぎないよう、そっと拭う感覚で慎重に進めます。
ときにライブの後とか、たくさんのグラスを急いで洗うときがあります。
どうしても急ごうと、濡れた手で雑に重ね置きしてしまうことがあって、そうすると「カチャン」と簡単に割れてしまいます。
よそのカフェで、分厚くて重ねられるピカルディというお冷グラスを使っているのを見ると、以前は何も思いませんでした。
でも今は、「ああ、私みたいなスタッフがいるから、ピカルディを使っているんだろうな」と納得してしまいます。
ちなみに、この薄張りグラス。物販スペースである御影MINIでも販売しています。
先日のこと、御影MINIに立ち寄られた素敵なご婦人が、このグラスを手に取っておられたので、私はこう話しかけました。
「こちらのグラス、本当に繊細なんです。実は、氷を直接入れるとヒビが入ってしまうことがあるくらいなので、お店では氷を直接入れないようにしているんです。それに、割れやすいから食洗機も使えなくて、すべて私たちがひとつひとつ手洗いしているんです。少し手間はかかりますけど、薄いグラスでお飲み物をお出しすると、グラス自体の透明感や美しさもより楽しんでいただけると思って」
すると、そのご婦人はこうおっしゃいました。
「このグラス、うちでも使っているのよ。そうね。繊細なところがいいけど、不便でもあるわね」と。
私にとって、コップといえば紙コップやプラスチックのコップのイメージが強いんです。
プラスチックの食器やカトラリー、それに使い捨ての百均のものに囲まれて育った世代だからかもしれません。
子どものころのホームパーティーや運動会、学校の給食などでは、軽くて割れない便利な使い捨ての食器が当たり前に使われていたからかもしれません。
私自身、そういう環境に育ったので、ガラスのグラスや陶器の食器を丁寧に扱うという習慣はほとんどありませんでした。
そんな私が、普段から薄いグラスを使われているご婦人と、こうしてグラスについてお話しできたことがとても新鮮でした。
私も、繊細なグラスを扱って割ってしまっている経験をしているからこそ、臆することなくお話しすることができました。
他愛ない会話をでしたが、少し成長できてる実感が持てて、なんだか温かな気持ちになりました。
店に置いてあるものはすべて、MAMEHICOの井川さんが選んでいます。
もしかしたらこの体験含めて、井川さんによる私たち世代への「メッセージ」なのかもしれないと感じたりしています。
ちなみに先日、薄張りグラスが、さらなる薄さへと変わりました(iphoneか)。
手で触った瞬間、「やばっ」って思いました(汗)。
クー。さらなる修行が始まる予感。
今日もドキドキしながら、グラスを洗っています。
