桃の節句でした。この日は女の子のお祭りですね。
女の子なら誰でも「他人が羨ましい、いいな」って、思うことがあるはずです。
たとえば、顔だったり、お金だったり、運動神経とか?頭の善し悪しとかね。でもね。もしかしたらですよ。
みんなが一番羨ましいなって思うのは、こんな女の子じゃないかしらって思います。
「うちのお母さんってね、フフ。どこにでもいるフツーのお母さんだと思ってたんですよ。でも、最近、気づいたんです。うちのお母さんて、超すごいのかもって。
うちのお母さんの自慢していいですか?とにかくね、毎日ご機嫌なんですよ。もちろん、不機嫌な日もあったんだろうけど、私たち家族の前では絶対に見せなかったんですね。母の機嫌が悪い顔、マジで記憶にないですもん。
子どものころは、それが普通だと思うじゃないですか。だけど大人になって周りのヒトの話を聞くと、そんなうちのお母さんって、実はめっちゃ特別だったのかもって思います。そしてうちの両親は、めっちゃ仲良しなんですよ。私が受験勉強してるときも、一階からお母さんの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。クク。父と何話してたのかは知らないけど、お母さんの笑い声だけが、キャハーって聞こえてくる。それ聞くだけで、なんとなくニヤけてきちゃうんです。今もニヤけてるでしょ?両親がケンカしてるとこも、私一回も見たことなくて、記憶にないんですよ。ほんと。
うちのお母さんは私に対して「幸せでいるか」「病気してないか」しか興味がないんです。そこがすごいところ。「結婚しろ」とか「子ども産め」とか「家買え」とか?そーゆーこと一回も言われたことないし、そんなこと言うお母さん、想像もできません。
「好きなとこ行きなさいね、好きに生きなさいね。そのためにできることは親として全部やるからね」って、ずっと言って育ててくれました。「子どもが人生のすべて!」みたいなタイプじゃなくて、自分のやりたいことはいつも楽しむ母。家族もほどほどに大事にしながら、趣味とかもあって、あっ、大した趣味じゃないですし、器用とかでもないです。子どもが成長して手がかからなくなって、「私の役目は終わったの」みたいなことドラマとかで言うじゃないですか。なんか恩着せがましいなって私は思うけど、そんなことも言ってこないし、とにかくいつも生きてるのが楽しそうだったんですね。「母親だから」「妻だから」って自分を犠牲にする、そういうことを微塵も感じさせない、フツーのお母さん。彼女はそういうヒトです。
それって、もしかしてすごいのかもって、大人になってから気づいたんですよ。周りのヒトの話聞いて。世の中に出てみたら、子どもに干渉しすぎる親とか、親同士の関係がうまくいかなくてその影響を受けた家庭とか、いろいろあって驚きました。私の幸せを願いつつ、過干渉じゃない。父との関係も良好。自分自身の人生も楽しむ。こういうバランスのいいうちのお母さんてすごいなって。子どものころは、うちのお母さんは当たり前だったけど、今にしてみれば、めっちゃありがたかったなって、しみじみ思う。
お母さんが今まで私にしてくれたことを思い出すと、もう感謝しかないです。それに気づいちゃった以上、何かしてあげたいなって思います、素直に。親孝行したいなって。でも、だからって特別なこと考えてるわけじゃなくて。母ともっと話したり、一緒にいる時間を増やしたり、なにより私が毎日楽しくできるようにしたり。そういう日常の些細なことの中に幸せを見つけることが大事なんだって教えてくれたから。
あっ、親孝行だけじゃなくて、母が私に与えてくれたものを、今度は私が誰かに返す番なのかなって、そんな風に思ったりもしてます」
こんな子の話を聞いたら、ムズムズして、キュンとして、シクシクしたり、キレたりする女の子をボクはたくさん知ってるけど。
フツーが一番難しいそんな時代、君たちにもフツーの幸せが必ずや訪れることを祈っています。
ハッピー、ひな祭り。
