みなさん、こんにちは。MAMEHICO神戸・御影メンバーの村田奈穂です。
私は15年来のMAMEHICOファンで、以前は宇田川店でよく舞台や映画を観に行っていました。
約8年前に大病を患ってからは、なかなかお店に足を運べずにいたのですが、今年はMAMEHICO20周年の年。
9月に初めて神戸・御影店を訪れました。
そこには、MAMEHICOらしい丁寧に整えられた美しい空間と、あたたかい人と人とのネットワークがあり、とても心が満たされました。
普段は三重県にて、障害のある方の就労をサポートしつつ、当事者の方々と小さな古本屋を営んでいます。
三重という土地でも、MAMEHICOで感じてきたような、生き生きとした「つながりの力」を生む場をつくりたいと、日々試行錯誤しています。
さて、MAMEHICO、そして井川さんの考え方に深く共鳴する私たちにぴったりのイベント「始めて続ける。」が、御影店を含む各店舗で開催されています。
私は11月23日(日)午前10時から神戸・御影店で行われた回に参加しました。
イベントは、参加者それぞれの自己紹介からスタート。
その場に集まった一人ひとりが、自分のこと、抱えている思いを話してくれました。
職場での若い世代とのコミュニケーションに悩んでいる人、親に言われるままに歩んできた人生に疑問を抱き始めた人、自分が夢を追うことを決意した人……。
初めて会った人の人生の一端に触れることで、その人の存在が自分の中に深く刻まれていくようでした。
井川さんは、その「刻まれる感覚」こそ大切だとおっしゃいました。
目の前の人を、名前も知らぬ「その他大勢」としてではなく、名前と顔を持つ一人の人として認めること。
それこそが、MAMEHICOがメンバーシップ制を取り入れている目的なのだと。
私たちが生きる現代は、大量消費社会です。
より早く、より便利で、より安いものが好まれ、商品は均質化し、オペレーションは効率化され、人間関係は最小化されていきます。
そのような場では、個人の名前や顔は重視されません。
「誰でもいい誰か」を、顔を見ずに流していく方が効率的だからです。
そして、効率のスピードについていけない人は、切り捨てられてしまう。
MAMEHICOは、その流れとはまったく逆の方向を向いています。
出会った一人ひとりと、名前と顔のわかる関係を築く。
「この人はこういう人なんだ」と知ることで、人間関係は消費の関係ではなく、協力の関係へと変わっていきます。
ここで出会った〇〇さんのために、私もできることをしたい。
△△さんが大切にしている場所だから、私も大切にしたい。
相手を「名前と顔のあるかけがえのない存在」として見ることができれば、自然と尊重の気持ちが生まれます。
また、少し苦手なことが多い人でも、「□□さんらしいね」と笑って許し合える関係をつくることもできます。
店とお客さんの間にある境界線をゆるやかにし、違う個性を持つメンバー同士で、協力しながら場をつくる。
それこそが、今の日本で「良い場」を続けていくために必要なことなのだと、井川さんのお話を聞きながら深く感じました。
「始めて続ける。」は、今後もMAMEHICOの各店舗で開催される予定です。
何かを始めたい人はもちろん、日々の暮らしの中で大切なことを考えたい方にも、きっと良い時間になると思います。
ぜひ、参加してみてください。

始めて続ける
2025.12.18
カフエマメヒコ三軒茶屋店にて
2025.11.23
MAMEHICO神戸・御影にて



