こんにちは。MAMEHICO東京スタッフの飯塚友美です。
ほぼ毎日、三軒茶屋店で働いています。
子供の頃から、タレ目でニコニコとしているので、笑顔だけは、本当によく褒められました。
この笑顔だけが、私の唯一と言っていい取り柄なのです。
しかし社会人になって、「苦労を知らない」と言われることが多々あり、笑ってごまかしてきた自分に、だんだん行き詰まりを感じるようになりました。
たしかに、思い返してみても、恥ずかしながら、人や物事に真剣に向き合った記憶もなく、ただニコニコと笑ってごまかしてきたのは間違いなかったのです。
当時働いていた大手アパレルの仕事で、大きな失敗を繰り返して落ち込み、すっかり自分を閉ざしてしまっていました。
そんな私は傷心を引きずり、真冬の寒い日にたまたまふらりと、渋谷のカフエマメヒコ宇田川町店に立ち寄りました。
きちんと温められた店内、ずっしりとした肌触りのよい家具、心地よいクラシック、香りの良い飲み物とデザート。
そのひとつひとつが丁寧で心地よく、自分がみるみると立ち直っていくという経験をしたのです。
もうその日は感動しすぎて、店内にいたスタッフに「ここで、わたし、働きたいです。」と、唐突に申し出てしまいました。笑
それが12年前、25歳の時に出会ったMAMEHICOです。
最初はあっさりと断られましたが、しつこく通っていたところ、2年越しにようやくスタッフとして仲間入りさせてもらうことになりました。
「やったー」。
晴れて、めでたしめでたし!
…となるはずもなく。
MAMEHICOのスタッフとして働くようになって、いよいよ私は、「笑ってごまかすでは通用しない壁」の前に打ちひしがれるのでした。
もちろんそれは、自分で強く望んだ環境だったのですが、現実はほんとにキツかったのです。
その話はおいおいしますが、「圧倒的なクオリティがなければ、人は動いてくれないよ」と、よく井川さんは言います。
「クオリティ」というのは、お金をかけているとか、スキルが高いという意味だとずっと思っていました。
でもどうやらそうじゃないのでは、とわかったのは、ほんとつい最近のことです。
10年働いてみて、それはつまり「気遣い」なんだと、ようやくわかってきたところです。
MAMEHICOの仕事は、要は気遣いなのです。
気遣いは気遣いと悟られてしまっては、相手に気を使わせてしまいますから、さりげなくてはいけないのです。
でも、私はどうしても、「どうすごいでしょ」と見せびらかしてしまうところがあるのです。
気遣いも、「気遣いしてますよ私」という風にしてしまいがちなのです。
そんなふうに、井川さんから「お前は、そもそも方向が間違ってんだけど」と言われ続けて12年。
なんだか最近、いよいよ帰路に立たされているのです。
つづく



