みなさん、こんにちは。MAMEHICO東京スタッフの飯塚友美です。
今年もMAMEHICOでは檸檬ケーキが始まっています。
この檸檬ケーキは、一年の中でいちばん人気のある、MAMEHICO冬の定番メニューです。
檸檬ケーキに使う「檸檬クリーム(檸檬のカスタードクリーム)」ですが、実はこの10年ほど、ほとんど私が炊いてきました。
大きなさわり鍋を使って、5kgほどのクリームを手を止めずに混ぜ続ける作業は、なかなかの力仕事です。
当時、まだいちばんの新人だった私に先輩が声をかけてくれて、任せてもらった最初の仕事でした。
それが嬉しくて、以来ずっと、誇りを持って檸檬クリームを炊いてきました。
しかし今年、東京で出している檸檬クリームのほとんどを、「みずきちゃん」という新しいスタッフが炊いています。
実は去年も彼女に教えてはいたのですが、クリームがザラっとしてしまったり、炊き上げたあとにヘトヘトになってお店に立てなくなってしまったり…。
任せるには、まだ経験も体力も追いついていませんでした。
「今年も、みずきちゃんに炊いてもらうのは難しいかな…」
檸檬ケーキが始まる段階では、正直そう思っていました。
それまでのみずきちゃんといえば、ケアレスミスの連続でした。
とても丁寧な性格で、お食事の付け合わせをきれいに盛り付けてくれるのですが、丁寧にゆっくり手元を動かすあまり、その間にメインのチキンソテーが焦げてしまう…なんてことは日常茶飯事。
火の塩梅がわかっていないこと、すぐに視野が狭くなってしまうことを何度も指摘し、本人もそのたびに自分にがっかりしていました。
それでも、また同じことをしてしまう。
でも、こういうとき、周りがどんなに指摘してもあまり意味がないのです。
問題は、彼女がまだ頭で仕事をしていること。
もっと感覚的に動けるようにならない限り、うまくいきません。
そしてそれには、ある程度の時間が必要だということも、自分の経験からよくわかっていました。
だからこそ、感覚がつかめるようになるまでは、大きな失敗を呼び寄せないためにも、大きな仕事は任せないほうがいいと思っていました。
そんなある日、みずきちゃんが焼くチキンソテーに変化が訪れました。
これまで焦げすぎていたチキンが、理想の狐色で出てきたのです。
まぐれかなと思ったのですが、一回きりではありませんでした。
静かな時間も慌ただしい時間も、その日一日ずっと、同じ焼き色のチキンソテーがキッチンから出てきたのです。
「あ、変わったんだな。」
そう思いました。
季節の変わり目のように、人はある日、ふっと何かが変わる瞬間があります。
技術というよりも、加減がわかる瞬間です。
「もしかしたら、今ならいけるかもしれない」
そう思って、その翌日、久しぶりに檸檬クリームを炊いてもらいました。
すると、なめらかで、レモンの香りがきちんと立った、おいしいクリームができあがりました。
(炊き方が悪いと、香りはすぐに飛んでしまうのです。)
ということで、その日から、東京の檸檬クリームはほとんどみずきちゃんが炊いています。
とてもおいしいですよ。
MAMEHICOでは、一緒に働いてくれるスタッフを募集しています。
カフェの仕事は、正直、楽ではありません。
でも、ある日ふっと、人が変わる瞬間に立ち会える場所でもあります。
今の自分を少し超えてみたいと思っている方がいたら、ぜひ一度、声をかけてください。
お茶を飲みながら、お話しできたら嬉しいです。

ただいま各店にて求人募集をしております。
気軽におたずねください。



