まなざしの先に

MAMEHICOで井川さんの作るお芝居や映画を、もう10年以上、欠かさず見続けているMAMEHICO東京メンバーの早稲田陽子です。
井川作品は何度観ても新鮮で、何度も励まされてきました。

その井川さんが扮するエトワール★ヨシノのライブ「それでも、楽しく生きてゆく」。
5月4日、昼の回を観に、銀座へ行ってきました。

大事にとってある井川さんの台本があります。
「お天道さまとお月さま」
井川さんが、女優で以前MAMEHICOのスタッフだった富山恵理子さんに書き下ろした一人芝居の本です。

井川さんのユーモアとアイロニー、そして彼女の魅力がめいいっぱいつまった、とてもとても素敵な作品。
台本の背表紙には「正しく生きるな 明るく生きよ」と井川さんに書いてもらったサインがあります。

井川さんは様々なアウトプットをされている方ですが、私が一番強く共感し励まされるのはこの「それでも、楽しく生きていく」の精神です。
人生の旅人どうしの合言葉みたいな感じです。
というわけで、このライブのタイトルを見て「今回はいかなくちゃ」と銀座へ馳せ参じたのでした。

今回は豪華なバンド演奏ではなく、石川さんのピアノ一台ということで、ヨシノさんと石川さんとのデュエットのような様相。
(マスコットみたいにレイナちゃんもいます)

どんどん安定と深みと遊び心を増しているヨシノさんのボーカルとリリック、一人オケさながら、キラキラした音色とエモーショナルなグルーヴを繰り出す石川さんのピアノを存分に味わいました。
椅子に座ったままたくさん踊ってしまったくらい!楽しかった!

そして、いつもヨシノさんが話してくれる「おみよ」さんのお話し。
たぶんもう10回以上は聞いてる気がするのですが、登場する「しゃがれ」が聞くたびに化け物化していて、今回はもう「人じゃないかも…」と思えるしゃべりっぷり。
あんまり可笑しくて椅子から落ちるんじゃないかと思いました。
もう落語みたいな感じで、何回聞いても面白い。
私は「落ち込んだおみよさんにヨシノさんが話しかけるシーン」が大好きです。

そしてそして、今回、ヨシノさんが教えてくれたラインホールド・二ーバーの言葉には、深く感じ入るものがありました。

 

THE SERENITY PRAYER

O God, give us
serenity to accept what cannot be changed,
courage to change what should be changed,
and wisdom to distinguish the one from the other.

Reinhold Niebuhr

神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

 

人はみな、自分では変えられないものに対して嘆き怒り、自分で変えることができることには臆病で怠惰になりがちです。
変えられるなんて思いもしない場合も…。

この言葉はとてもシンプルだけど示唆に富んでいて、背筋がのびる気持ちにも、肩をたたいてもらっている気分にもなりました。
美味しい幕の内弁当やデザートにおなかも満たされ、すがすがしい気持ちで帰路につきました。
今回もありがとうございます。ごちそうさまでした。

 

喫茶エトワール
2025.6.19
開場18:30 /開演19:30
MAMEHICO東京・銀座にて

+7

このページについてひとこと。この内容は公開されません。