こんにちは。MAMEHICO編集部の坂本智佳子です。
いま、カフエマメヒコ三軒茶屋店と、MAMEHICO神戸・御影では、骨董を販売しています。
MAMEHICO紫香邸の建物の持ち主であった、骨董商の「黒島さん」が集めたものや、代表の井川さんが骨董市で選んできたものを並べました。
骨董といっても、鑑賞品ではなくて、生活骨董として、現代の暮らしでも使いやすい陶磁器の食器を中心に選んでいます。
ここで少し、紫香邸の建物の持ち主であった「黒島さん」のご紹介を。
黒島さんは普通の会社員だったのですが、骨董好きが高じて、骨董商になられた方です。
御年85歳だったか、もう引退したといいながらも、いまだに骨董市に通っています。笑
骨董は専門性が高くてなんぼかと思っていましたが、黒島さんは専門性が高いのは面白くない!と断言します。
MAMEHICOが大切にしていることと同じで、まさに「雑を大切に」です。
確かに黒島さんのコレクションは、古代土器、昭和の絵画、ヨーロッパの洋食器、そして紫香邸となる日本家屋まで…、本当に幅広いのです。
では何でも良いのかと思いきや、黒島さんが選ぶのは付き合う人。
良い人と付き合えば、おのずとよい骨董品も手に入る。
なので、縁を大切にしていた黒島さんのコレクションは、財閥の蔵出し品も多くあります。
大切にしたいことや人を大切にすれば、連鎖的に良い輪が広がってゆく。
理屈は分かっていても、なかなか難しいですよね。
骨董は、真贋や価値ばかりが注目されますが、黒島さんと付き合っていると、物選びに見えがちな骨董こそ、人付き合いだと感じます。
お店の棚に並んだ骨董の背景を思うと、何とも不思議な気持ちになります。
名も知らぬ職人が作り、名も知らぬ庶民が使って、骨董商の手に渡って、カフェの棚に置かれている偶然。
はて、一体何人の手を介して、100年以上の時を流れ着いてきたのでしょう。
そして、昔の陶磁器は、その土地の土、その土地の製法で作られているので、産地がはっきりしています。
対して、材料をあらゆるところから取り寄せるため、産地というものがなくなってしまった現代。
比べてしまうと、あやふやな物に囲まれている自分は、なんだか時代に流されていることに気づきます。
骨董だなんて、敷居が高いと感じるかもしれませんが、元々は実用品。
暮らしを共にすれば、自分より遥かに長くこの世に存在している陶磁器たちは、いろんな気づきをくれるかもしれません。