手間暇をいとわない

みなさま、こんにちは。
MAMEHICO東京メンバーの伊藤桂子です。

私のオフィス近くで、ランチに月に1〜2回ほど行く中華屋さんがあるのですが、あるときからほぼ毎回、杏仁豆腐が出てくるようになりました。

周りを見渡すと全員に出ている訳ではありません。
女性限定のサービスかと思えば、そうでもなく。
この杏仁豆腐が出ているのは、お客さん全体の2〜3割くらいで、お出ししている人の基準が全く分かりません。

この杏仁豆腐が、まぁフツーの杏仁豆腐で、個人的にはついてこなくても全然いいんです。
ただ、出てくるのが「ほぼ」毎回で、「必ず」毎回ではないのです。
「杏仁豆腐はいりません」と、毎回伝えようか迷うのですが、「あなたに出すつもりなかったし」と思われたら恥ずかしいなぁと、言い出せずに2年近く通っています。笑

私が今までに一番感動したのは、都内の辺鄙なところにある居酒屋さんの杏仁豆腐です。
高級中華料理店ではなく、居酒屋さんというのがポイント。

そのお店の杏仁豆腐は、年に一度だけ、約2週間の期間限定。
信州産の杏を取り寄せ、種の中の「仁(核)」をすりつぶして、抽出したものを使って作られています。
固い種を1個ずつ割って、白い部分を取り出すという作業を想像しただけで大変です。

こちらの杏仁豆腐を口にしたときに、
「今まで食べていたものはなんだったのか…!付け合わせのフルーツなんていらない…!」
と、感動したものです。

こんな話をしているのは、MAMEHICOのYouTubeチャンネル『教えて、井川さん』で、「なぜメニューにケーキセットがないの?」を聴いていたら、その中で「どうでもいい杏仁豆腐」という発言があったからなのです。

「どうでもいい杏仁豆腐」!!
思わず反応してしまいました。
オフィス近くの中華屋さんの杏仁豆腐は、まさに「どうでもいい杏仁豆腐」なんですよね。笑

世の中に多く出回っているフツーのものは、杏仁霜やアーモンドエッセンスを使って作られている杏仁豆腐「風」です。
とある居酒屋さんのものは、まさに手間暇をかけて作られた本物の杏仁豆腐ということですね。

MAMEHICOの大切にしている10のことのひとつに、「手間暇をいとわない」ことがあります。
珈琲の注文が入ったら一杯ずつ淹れる。
シロップはお砂糖を溶かして作る。
黒豆を3〜4日かけて炊く。
白玉団子は手で捏ねて丸めて、注文が入ったらひとつずつ茹でる。
などなど…。

効率化と言われて久しい昨今。
手間を省くために手を抜くことで、大切なものが損なわれていることは多い気がします。
手間暇をかけることで得られる喜びや価値を大切にしている、とある居酒屋さんとMAMEHICOと、なんだか通ずるものがあるなぁと思ったのでした。

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