「こうすればああなる」からの脱却

こんにちは。
MAMEHICOメンバーでエンタメ部の酒井聡里です。

突然ですが、わたくし、MAMEHICO神戸・御影店でピアノを弾くことになりました。

「お店でピアノの日ってのをやりたいと思ってるんだ。ふらっと来て1時間くらい適当にBGMを弾いて帰るというノリで構わないから」と御影店 店主のしげさん。
これを聞いたときの私の素直な感情は、「おおお…まずいな、苦手なやつだ…」でした。笑

こういった依頼を受けたとき、私がまずやりたくなるのは徹底的な準備。
「BGMなんてやったことないけど、ふさわしい曲はどんな曲だろう」
「ふさわしい曲の中で私に弾けそうな曲は何曲あるだろう。それらを合計したら1時間になるのか」
「ピアノずっと弾いてないけど大丈夫かな」
…などと、どんどん不安が膨らみます。

こうなってしまうのは、私がこれまで「こうすればああなる」の中にどっぷり漬かってきたからだと思います。

真っ先に思い出されるのは学生時代のピアノのコンクール。
数か月前から1曲を120%の完成度になるまで仕上げ、本番出せるのは70%だったりする。
これじゃあだめだ、ということで、次は本番で100%が出せるように150%の完成度に仕上げる。
学校のテストも、受験も、就活も、会社員生活も、とにかく予測して、対策して、改善の世界。
それができるほど優秀な世界。
そんな世界でどうにか生き残ろうと戦ってきたのは、私だけではないはずです。

でも、MAMEHICOには、「こうすればああなる」といった予定調和は粋じゃないよね、という空気が流れています。

すばらしいものが見られると分かって行って、予想通りすばらしかったですって何だか面白くないじゃん、と。
だから、MAMEHICOのイベントとして開催される劇は、演じるのは初心者なのに往々にして台詞がアドリブだったり、決まっているのはコンセプトだけで台本がなかったり、ということがあります。
テーマがあるイベントだって、脱線して盛り上がって今日は楽しかったしこんな感じでもういいよね?みたいなこともあります。

でもそれが不思議と楽しい。そして、肩の力が抜けるんです。
あ、なんか私もこんな感じでいいのかも…と鎧が取れる感覚。
それって妥協じゃないの?と思うかもしれませんが、鎧が取れた結果、皆さんがよりクリエイティブになって思いがけない才能を発揮する、という場面を何度も見てきました。

世の中、なんでも予測、制御の時代ですが、それでも予測は外れます。
結婚生活こんなはずじゃなかった!会社員生活こんなはずじゃなかった!とか。
そうなっても、こんなはずじゃないを楽しめる。
笑って何かそこからやってみようと思える。
そんなしなやかさを持ちたいなぁと思っています。

さて、問題のMAMEHICO神戸・御影店でのピアノBGM演奏は、9/2 14:00からの予定です。
もう1週間を切っていますが、何も準備をしていません。
ふらっと行って1時間ほど弾いて帰る、を本当に一度やってみようと思います。

とても怖いです。が、私が「こうすればああなる」から脱却しようとしている現場に、ふらっと居合わせてくださる方がいたら嬉しいです。

SHARE:

関連記事

RELATED POSTS