偶然の波に乗る

こんにちは。MAMEHICO東京メンバーの酒井聡里です。

わたしは、ひょんなことから、6月初旬に上演された「ベアトリネエチャン」に出演しました。
そのときに、友人に「私、劇に出るんだ」と言ったら、「え?劇?なんで?」と言われました。笑
演劇を生業にしているわけでも、志していたわけでもない。
劇は学生の頃、文化祭の出し物としてやった程度。
まさか、社会人になって劇をするなんて思ってもみませんでした。
私が出ることになった理由は、偶然以外の何ものでもありません。

MAMEHICOにお客さんとして通い始めて気づけば1年。
魅力的なカフェがたくさんある東京で、1年に渡って通っているカフェは他にはありません。
なぜ通っているのか。理由のひとつは、MAMEHICOは偶然が起こる面白いカフェだから、です。

思えば、MAMEHICOと私の出会いのきっかけも劇でした。
ある日、上司が「僕、劇に出るんだ」と言い出したんです。
「え?劇?なんで?」そんな疑問もありましたが、とにかく上司は本番が近づくにつれ、明らかにソワソワしている。
台本がまだ決まってない、相方が練習を休んだ、…。
普段、職場で真面目で堂々としている上司が浮足立っているのを見て、舞台に上がったらどうなっちゃうのか絶対見てやろうと思い(笑)、同僚と見に行きました。

上司が出演したのは、MAMEHICO銀座で定期的に開催されている「面白可笑ひこ」でした。
私はそこで初めて、上司が一人の人間として悩み、緊張し、それを乗り越えて舞台上で輝く姿を目にしました。
舞台を終えた上司は、まだ見ぬ自分を発見したような清々しさがありました。

後で上司から、あの役の子は最近まで口がきけなかった子でね…、あの人はこのお店の店長で本番突然舞台に上げられてね…、みんなほとんどアドリブだった…などと聞いて、もうとにかくびっくり!
劇といえば、劇団四季の「一音落とす者は去れ」のように、鍛錬に鍛錬を重ね、完璧な作品として世に出す、そんなものばかり観て、完璧こそが人の胸を打つんだ、と思ってきました。

もちろん、それはそれのよさがありますが、MAMEHICOの劇は違う。
出演者はカフェのお客さんや店員、台本もあってないようなもの、本番の偶然で劇が紡がれていく、でも初めて観に行ったらそうだとは決して分からない仕上がりで、温かさがある。
そして、出演者が殻を破っていく。その姿が胸を打つ。
不思議な魅力にとりこになって、以来、私は「面白可笑ひこ」を観に行くようになりました。

わたしが出演した演劇「ベアトリネエチャン」も、カフェの店員とお客さんが出演者でした。
やってみたい!と声を上げた人もいますが、劇に出ないかと誘われた高校生や、「面白可笑ひこ」に出たことがあるからと誘われた人などの寄せ集め。
私に至っては「ピアノ弾けるよね。ピアノ伴奏やってくれる?」と誘われ、蓋を開けたら、冒頭からしっかりセリフがありました。笑

演劇は初めてだし怖い。
「うわーなにこれ!?」という気持ちでいっぱい。
でもその奥に、実は嬉しい気持ちがありました。
「面白可笑ひこ」で新しい自分に出会ったり、自分の殻を破ったりしている人たちを見てきたから。
上司の清々しい顔を見ていたから。
出演者のみんなも、誘いを断らなかったのは、まだ見ぬ自分を見てみたい、自分を普段と違う形で表現したい、そんな想いが心のどこかにあったからだと思います。

人生は偶然の連続。
私はこの劇に出演するという偶然の波に乗り、確実に自分の中の扉が一枚、開きました。
偶然この記事を読んだあなた、マメヒコの劇を見に来てみませんか?
もしかしたらその劇が、あなたの扉を開くきっかけになるかもしれません。

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