ー遠足のイベントが始まったきっかけはなんですか?
遠足のきっかけは、ハタケの遠足だと思う。
一番最初は北海道十勝の大樹町という豆の産地で、その一角を借りて、ハタケを作った。ここで遠足を試みたのだけど、とても遠くて、まだお店とお客さんとの関係性が作れていなかったので、1人しか来なかった。
その後、そのハタケに行き詰まりを感じていた時、札幌の菊地珈琲さんがたまたまボクがラジオでハタケを辞めることを聴いて、ちょうど千歳で無農薬でハタケをやっていた老夫婦が手放そうしてるから、そこを借受けたらどうかと言ってくれて、そこでまた続けることになった。
そこは千歳空港から車で20分という好立地。ここでのハタケの遠足はたくさんのヒトがきてくれて今でも、そこで培われた人間関係がMAMEHICOのメンバーシップ制に大きく繋がっている。
ハタケの遠足はどうやっていたかというと、
現地集合で、勝手に手伝って、勝手に帰ってくださいとう乱暴なツアーだったのにも関わらず、文句も言わず、黙々と手伝ってくれて、中には植えた豆が気になって毎月来てくれたヒトもいる。そんなことがあって、お客さんとの関係性を築くのに、お店の中ではない外で会うことでそのヒトのヒトとなりがわかる。同じ作業をすることでしか得られない経験があることに気づき、ハタケだけじゃなくて、国分寺崖線遠足というのも一年かけてやったよ。
なんだか意味わからない坂道を登ったり降りたり、こんな馬鹿馬鹿しいことをみんなで達成することは得難いものがある、誇りになったりするんだよね。そんなことをやるうちに一年かけて、連続ドラマを撮るということに繋がっている。
メンバーシップ制のカフェもどうなるかわからないけど、目的地が定まらないものに参加することが、その馬鹿馬鹿しさを達成したという、高揚感、幸福感、自己肯定感を高めることがあるんだということを教えてくれたのは遠足です。