みなさま、こんにちは。MAMEHICO演劇部の永井宏佳(ひろし)です。
郵便局員をやりながら、MAMEHICOでお芝居をやってます。
面白がりながら学べるラジオ「面白RADIO」8月の回が公開されました。
今回は、お金やものの長さなど様々な「単位の歴史」をテーマに、その背景や文化への影響などについて語っています。
通勤、家事、ながら仕事のお供にぜひお聴きくださいませ。
さて。
今回はMAMEHICOで行っているラジオ収録の現場についてお話をしようと思います。
ラジオに限らずMAMEHICOでは、カフェのお客さん、スタッフ、たまたま流れ着いた郵便局員など、雑多な人たちが一緒になって、表現活動をしています。
プロの役者さんはおりません。
それどころか、舞台を見たこともない人が、舞台に出ることもしばしばあります。
面白RADIOの現場もそうです。
軽い気持ちでやってみようかしらと、参加してくださる方がたくさんいます。
でも役を演じるって、そんなに簡単なことではありません。
なにしろ恥ずかしい。
幼稚園のころは、真剣に取り組めていたおままごとも、大人になるとハードルの高い営みになります。
それが、自意識ってやつです。
ラジオのメンバーにこんな人がいます。
彼はムードメーカーで、いつも場の雰囲気の和やかにしてくれます。
体も大きく兄貴肌で、慣れない新人さんにもいろいろアドバイスもできる。
すごく気の利くいいやつなんです。
ぼくは彼が居てくれることで、みんながリラックスできるのですごく助かっています。
一方で彼はとても弱虫です。
本番になると人一倍パニックになり、セリフは忘れるは、舞台出演中にメガネは壊すは、普段の兄貴っぷりからは想像できない狼狽ぶりです。
そのような相反するところを、彼は持ってます。
兄貴肌の彼は、自分の臆病な性格が嫌いです。
臆病な彼は、兄貴肌の自分が信用できません。
2人の自分がジキル博士とハイド氏のように同居して、互いに喧嘩をするのです。
彼だけではありません。ぼくもそうです。
ぼくは寂しがり屋なので、いつもだれかと一緒にいたい。
居場所がほしい。居場所を作りたい。
1人でいるのが心配なんです。
一方で、ぼくは人に興味がない。
プレイヤーであることにしか興味がない。
営業、お芝居、どうやったら売れるか、どうやったらいいお芝居になるか、そういったことをずっと1人で考えていたいんです。
足を引っ張る人間が邪魔くさくてしょうがない。
寂しがり屋のぼくは、人恋しくなり、プレイヤーのぼくは、人を邪魔者だと感じる。
2人のぼくは互いにいがみあっています。
みんな、そうなんです。
お芝居の練習を見てるとつくづく思います。
葛藤は相反する自分の板挟みから起こります。
実はお芝居って、歪み合う2人が仲直りするプロセスでもあるんです。
ぼくはMAMEHICOでお芝居に出会い、自分の中にいる2人がずいぶん仲良くなりました(たまに喧嘩もするけれど)。
おかげで昔よりずいぶん生きやすくなりました。
自分を責めることが、少なくなったからです。
MAMEHICOの表現活動は、人生を健康的に生きるための活動だったりもします。
ご興味があったらぜひ、見学しに来てください。
少し葛藤があるかもしれませんが。



