【20th】五感が目を覚ました日

みなさん、こんにちは。MAMEHICO東京メンバーの湯本大喜です。

「あなたが好きそうなお店がこの近くにあるから、今から行こう」 
冬の東京、渋谷。
小学生から付き合いが続く友人と買い物に来ていた。
ランチには遅く、夕飯には早い、そんな時間に誘ってくれた言葉だった。

今はサイバーエージェントの本社が建つあたり。
当時は小道で、センター街などとはまた違う活気と、怪しげな気配が漂い、迷いの森のような不安感があった。
あるビルの、少し奥まった一階に友人おススメのお店はあった。

それがボクとマメヒコの最初の出会いだ。
迷いの森とは違った意味で、渋谷ではない異世界に迷い込んだような、ちょうどジブリ映画『耳をすませば』で主人公、月島雫が偶然見つけた雑貨屋「地球屋」に入った時のような感じだろうか。 
店内は明るすぎず、暗すぎず、暖色の灯りでちょうど良い。

一際目を引いたのは、お店の中央に10人以上は座ることができる一枚板のテーブルがあったこと。
ボクらはそこに通された。 

木のテーブルの手触り、生けられた生花の香り、他のお客さんの話し声、食べたり飲んだりしているものの香り。
いろんな感覚に散漫になりながら、しかし今ここの感覚には集中しているという不思議な体験で、店員さんに渡されたメニューと声がけで、渋谷という現実に戻って来れた。

初めて感じる豊かな五感というよりは、元々持っていた五感が呼び起こされたような、そういう体験だったのを覚えている。

それから数年後「コルクラボ」というオンラインサロンに所属していた関係から、マメヒコと関わりを深めるのだが、マメヒコはカフエだけではなく、「遠足」、「餃子の会」、「小説会議」、「自作映画鑑賞会」、「演劇」、「音楽会」「ドラマ制作」など様々なイベントを催しているカフエであることを知り、カフエ利用というよりは、これらのイベントを通して、代表である井川さん、スタッフのみなさん、常連の方たちにも少しずつ顔を覚えてもらっていたように思います。

ここまで紹介してきたのは、ボクとマメヒコの初めての出会いと、その後の関係でしたが、これはボクとマメヒコの接点の話に過ぎません。

今年でマメヒコが20周年ということをうかがい、最初に浮かんだことは、ボクのような初めての出会いとその後のマメヒコとの関わりという多くの時間、物語を、必然だか偶然だかに触れ合ったすべての人に、生んできたのではないかということ。
ただそこに在り、開いて待っているということ。
そのことを変わらずに続けること。
その偉大さを、20年という時間が改めて教えてくれたような気がしています。

ボクは幸いにも出会うご縁に恵まれましたが、この先それを控えているみなさんのためにも、これからもどうか変わらないために変わり続けるマメヒコで在り続けてください。
応援しています。