こんにちは。MAMEHICO神戸・御影 店長の渡辺 臣将(しげまさ)です。
この季節になると、お客さまから「アイスティーって、こんなに香るんですね」と声をかけていただくことがあります。
僕たちが日々お淹れしている立場としても、それはとても嬉しい言葉です。
なぜなら、MAMEHICOのアイスティーは、その“香り”こそが主役だからです。
MAMEHICOのアイスティーは、一般的な「作り置き」ではありません。
一杯ずつ、お客さまご自身の手で“急冷”していただく、ちょっと変わったスタイルをとっています。
まず、美濃焼の青磁ポットでサーブされるのは、しっかりと濃く、熱く抽出したお茶。
その隣には、グラスの縁まで氷をぎっしりと詰め込んだ、銅製のグラスが静かに置かれます。
このふたつがテーブルに並ぶと、多くのお客さまがちょっと目を見張ります。
「この熱々を、ここに注ぐの?」と、一瞬ためらう方もいらっしゃるほど。
でも、まさにその瞬間こそが、MAMEHICOのアイスティーのいちばんの見せどころです。
銅のグラスは、熱を一気に奪い取り、立ちのぼるお茶の香りを、そのままスッと閉じ込めてくれる。
ふわっと華やかな香りのアイスティーが、目の前で完成するのです。
このライブ感と香りの鮮度は、作り置きでは決して出せません。
「香りを飲む」、そんな感覚を、ぜひ味わっていただきたいのです。
選べる茶葉の種類も、少しずつ増えてきました。
オーガニックダージリン、ウバ、MAMEHICOアールグレイ、独創紅茶、釜炒り緑茶、宮崎烏龍茶、ハーブティー。
どれも、MAMEHICOが自信を持って厳選したものばかりです。
なかには、店内で独自にブレンドしているものもあります。
たとえば「独創紅茶」は、オーガニックダージリンと緑茶・烏龍茶をバランスよく組み合わせたMAMEHICOオリジナル。
華やかさと奥行きのある香りが共存し、どんなデザートにも、食事にも不思議とよく合います。
ミルクやお砂糖を加えても香りが崩れないので、ミルクティー風に楽しむのもおすすめです。
ここ数年、茶葉の価格は上がり続け、仕入れも悩ましい日々です。
でも、僕たちは「味」や「香り」のクオリティーを落とすつもりはありません。
それが一杯の飲み物であっても、「この香りがあって、よかった」と思っていただけるなら、それが何よりの報いだからです。
ふだんのひとときに、少しだけ心がふわっと緩む瞬間。
それが、MAMEHICOのアイスティーで感じていただけたなら、うれしい限りです。
ぜひ一度、青磁のポットから、氷のグラスへ。
その一瞬に立ちのぼる“香りのひらき”を、感じてみてください。