釜香をまとう一杯の涼

こんにちは。MAMEHICO神戸・御影 店長の渡辺 臣将(しげまさ)です。

今年の夏も暑い!
こうも暑いと、冷たく澄んだ、あの黄金色の釜炒り緑茶が恋しくなります。
ひと口飲めば、体にすっと染みわたるような、やさしい味わい。そんなお茶です。

釜炒り緑茶は、日本茶全体のなかでもごくわずか。
たった0.02%といわれており、とても貴重なお茶です。

ここで、釜炒り緑茶について講釈をひとつ。
釜炒り茶の歴史は、蒸し製の煎茶よりも古く、15世紀ごろに中国から日本に伝わったとされています。
現在も製造されているのは、宮崎県西臼杵郡が主です。
神話と伝説が息づく高千穂の地では、今もなお、古くから受け継がれてきた製法を大切に守りながら、釜炒り茶が作られています。

釜炒り茶は、その名のとおり、釜で炒って仕上げるお茶です。
「煎茶」は蒸して香りを引き出しますが、「釜炒り茶」は炒ることで独特の香ばしさが生まれます。
かつては、400度ほどに熱した大釜で生葉を炒り、ゴザの上に広げて手で丁寧に揉み、竹籠に並べて炭火でじっくりと乾燥させていたそうです。
その後も何度か釜で炒り返しながら、香り高く仕上げていたといいます。
釜で炒ることで青臭さが消え、「釜香(かまか)」と呼ばれる香ばしい香りが立ち上ります。

ほのかに金色に輝く水色(すいしょく)も美しく、農薬を使わず有機肥料だけで育てられた茶葉の力強さが、喉を通してしっかりと感じられます。

僕たちのおすすめの飲み方は、なんといっても「水出し」。作り方はとても簡単です。
水の量に対して約1%の茶葉をティーバッグに入れ、冷蔵庫で一晩じっくりと抽出するだけ。
朝には、透き通った黄金色の冷たいお茶ができあがっています。

脂っこい食事との相性もよく、MAMEHICOのまかないでもよく飲んでいます。
「これを飲んだら、市販の冷たいお茶には戻れないね」──
そんな声が自然とあがる、納得の一杯です。

釜炒り緑茶の茶葉は、御影MINIほか各店でもご用意しています。
ご自宅用にも、ちょっとした贈りものにもぴったりなサイズと価格です。

まだまだ暑い夏、キンと冷えた「本当に美味しい釜炒り緑茶」を、ぜひご自宅でもお楽しみください。