こんにちは!MAMEHICO東京スタッフ兼演者の池田玲菜です!
コロナをきっかけに大学を辞めて、いまはカフェとお芝居に勤しむ日々を送っています。
連続ドラマ『ノッテビアンカ』では、OSEKKAIカフェの店員・ハルエを演じています。
vol.7 act.2は、話数の多いノッテビアンカの中で最も思い出深い回です。
サムネイルにもなっている桜のシーン、このロケがほんっとうに大変だったんです!
夏に始まった「ノッテビアンカ」は、実際の季節の移ろいにあわせて撮影を重ねてきました。
季節はめぐり、いよいよ春の場面へ。
日本の春といえば、やはり「桜」。
脚本にも「満開の桜の下で」というシーンがしっかりと書かれていました。
ところが、この作品のチームは、演者もスタッフも本業を持つ社会人ばかり。
撮影は基本的に土日祝日に限られています。
そんななか、気がつけば桜はもう咲き始めていました。
このまま次の土日を待てば、桜は散ってしまう。
そこでなんとか、それぞれの本業をやりくりして平日の朝に時間を確保。
それで月曜日の朝5時、日比谷公園に集まってロケをしました。
到着するなり、井川さんが開口一番こう言いました。
「スタッフは少ないし、時間もないから、ワンカットでいくよ」
カメラを構えるのは井川さん。
演じるのは、私とさっちゃんの二人。
ワンカットとは、カメラを止めずに一連の演技を撮りきる手法。
つまり、セリフを噛んだり動きがズレたりしたら、最初からやり直しです。
しかもその場面は、4分以上続く長台詞。
朝5時のまだ薄暗い日比谷公園で、私はひとり、緊張で指先が冷たくなるのを感じていました。
誰かがフォローしてくれるわけでもない。
井川さんは演出と撮影を同時にこなし、私たちはただ黙々と役に入り続けました。
日比谷公園での撮影を終えると、すぐに芝公園、そして満開の六本木の坂道へと移動。
限られた時間の中で、息を合わせるようにテンポよく撮影を進め、午前中にはすべてを撮り終えることができました。
短い時間だったけれど、とても濃くて、忘れられない春の一日になりました。
「ふふ、私たち撮影隊も、朝飯前とは言わないけど、昼ごはん前には終わらせられるようになりましたね…!」
なんて冗談を言いながら、DEAN & DELUCAのアイスカフェオレで乾杯して、お互いを称え合いました。
大学を辞めたばかりの私にとっては、あの朝の風景も緊張も、すべてがまるごと「青春」でした。
今回の vol.7 act.2 の内容は、春の日の穏やかな雰囲気とは裏腹に、政治と宗教というテーマが登場します。
政治と宗教の話はそれぞれ立場や価値観が分かれやすく、対立の火種になりやすいから、テレビドラマではめったに扱われません。
でも、この回ではその2つが、きちんと登場人物の会話の中に出てきます。
堅苦しくもなく、押しつけがましくもない。
あくまで、ごく自然なやりとりとして。
それができるのは、登場人物たちがこれまで何度も対話を重ね、少しずつ信頼関係を築いてきたからこそだと思います。
この回は私にとって、とても思い入れのある回です。
ぜひ、観てみてくださいね。

連続ドラマ「ノッテビアンカ」
全8話(vol.1〜8 Act.1,2,3/24回)