みなさま、こんにちは。MAMEHICO東京メンバーの深澤まどかと申します。
渋谷の公園通り、パルコのちょうど向かい側のビルの2階にあったカフエマメヒコ公園通り店は、通りを歩いているだけではその存在に気づかないお店でした。
けれど、窓際の席に座って珈琲を飲んでいると、大きな窓から通りを見下ろす構図も相まって、「私は知っているのだ、この場所を。どうだ!!!」と、謎の優越感にひたれる場所でした。(きっと私だけ)
ビルの階段を上がると、店内の様子が少しだけ垣間見え、それを横目に見ながらドアを開けると、中央にはどんと構えた大きな木のテーブルが。
右手には飾りガラスのパーテーションと、駅のホームにありそうな大きな時計。
水滴のついた給水タンク、薬箪笥のようなアンティークキャビネット、テーブル中央に生けられた大ぶりな枝ものや季節の花。
流れてくるバロック音楽が店内の静けさをより際立たせていて、どこか外国の修道院に来たかのような雰囲気が、本当に大好きでした。
そうそう、シェードランプと家具のような洗面台が備えられた2つのトイレもお気に入りでした。
もし我が家をリフォームすることがあれば、ぜひ井川さんにいろいろご紹介いただきたいと、密かに思っております。うふふ。
私はもっぱら公園通りのお店に行くことが多かったのですが、時々、宇田川町店のほの暗い店内で、黒豆や小豆を、良いものとそうでないものに選り分ける“豆選り”のお手伝いをしていました。
どれほどお役に立てていたかは不明ですが、お駄賃代わり(?)にいただいた珈琲と甘いものを楽しみながらの作業はとても楽しくて。
お店のスタッフや、スタッフ風だけど実はお客さま(!)、そして純粋なお客さまが入り混じって、他愛のないおしゃべりをしながら、小さなお豆をひとつずつ目視で選別するその時間は、まるで農村の寄合作業のようで、心がほっと落ち着く癒しのひとときでした。
こんなに素敵なカフェを20年も続けてこられたのは、きっとたゆまぬ努力の積み重ねがあってこそだと思います。
今では、どんどん前へ進んでいくMAMEHICOの姿を遠くから見ているだけですが、エトワール★ヨシノさんに元気をもらったり、連続ドラマ『ノッテビアンカ』に参加したり、勤労感謝の日にスタッフ見習いをしたり『タダヒコ』、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
MAMEHICOでの体験はどれもインパクトが大きくて、あんなに堂々と存在していたのに、全部が蜃気楼のような、遠い夢の中のできごとだったのではないかと、ふと不思議な気持ちになることがあります。
最後になりましたが、20周年、本当におめでとうございます!!!



