自然が告げる、ときの流れ

こんにちは。MAMEHICO紫香邸スタッフの原幸子です。
今日は「時間」についてお話します。

東京と桐生の店舗の違いのひとつに、時計の存在があります。
三軒茶屋店にも銀座店にも神戸店にも大きな時計がありますが、紫香邸には小さな丸時計がキッチンにひとつ掛けてあるだけ。
私はそこが紫香邸のよさのひとつだと思っています。

東京にいる間は、朝から晩まで分刻みの生活。
何時何分の電車、何時までに作業を終える──スマホを見れば秒単位で時間が流れ、高層ビルの灯りは夜でも消えません。
便利さを追い求めた結果、生活がどこか窮屈になっていると感じます。

もちろん、働くうえで正確な時間を知ることは大切です。
でも、もっと大きな流れの中で生きているという感覚を、いつの間にか忘れていたように思います。

紫香邸に通うようになってから、私は少しずつ変わりました。
分単位の生活から、太陽の光や方角で時間を感じるようになりました。
東から昇る太陽で朝を知り、西に沈む太陽で一日の終わりを知る。
東向きに枕を置き朝日を浴びて起き、太陽の光の下で庭の手入れや窓拭きをし、夕暮れに「そろそろ暖簾をしまおう」と思う。

時計を見ずとも、今がだいたい何時ごろか分かるようになります。
季節ごとの日照時間の違い、風の乾き具合、草花や木々の様子からも時間を感じ取れる。
秋のいまは、陽が落ちるのも早く、お座敷の足元が少し冷えてくる。
そうした自然の移ろいがそのまま時間の流れを教えてくれます。

時計に頼らず、自然とともに時間を感じることを「豊かだな」と思う瞬間が増えました。
紫香邸の大きな時計は、太陽そのもの。
光と方角が日々の時を告げてくれます。
そんな自然の時計のもとで働けることを、幸せに感じています。

 

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