秋のにおいをたどって

みなさん、ごきげんよう。MAMEHICOの日野です。

朝晩の空気に秋を感じるようになりました。
窓を開けると、風のにおいや光の色が、少し変わったように思います。
日中はまだ夏の名残を思わせる日差しですが、日暮れが早くなり、夕方の風は心地よく、少しずつ秋へ移ろっているのを感じます。
こういう季節の変わり目が、わたしはとても好きです。

MAMEHICOでも秋支度が始まりました。
お店に飾るお花も、実物が増えたり、夏のあざやかな色合いから、深みのある赤や黄色、シックな色へと変わっています。
テーブルやカウンターの上がぐっと落ち着き、同じ空間なのに、ほんの少し背筋を伸ばしたくなる雰囲気です。
お花は季節の変わり目を一番に知らせてくれる存在かもしれません。

キッチンでも秋メニューへの切り替えが始まっています。
先日、市場に出かけると、並んでいるお野菜や果物に秋を感じました。
夏の名残のトマトやなすの隣には、かぼちゃやさつまいもが並び、葉物の種類にも変化が見られました。
夏はさっぱりした味つけが多かったのですが、これからはこっくりとしたものが恋しくなりますね。
火の通し方ひとつにも季節ごとの食感や味のバランスを考えて工夫するのです。
お食事に添えるお野菜たちも、少しずつ衣替えの準備です。

さらに歩いていると、ほのかに甘い香りが漂い、視線を向けるといちじくの箱。
その深い紫色に秋の匂いを感じて、思わず足を止めました。
ひとつひとつ手に取り、色やかたちを確かめながら「パフェにしたらおいしそう〜!」と考える時間は、まるで宝探しのようです。
ひと口味見すると、みずみずしくほどよい甘さに、ついつい手が止まらなくなりました。笑

そして秋の恒例・カンボジアプリンの仕込みも始まりました。
たくさんのかぼちゃを切って、蒸して、つぶしてマッシュにする。
蒸しあがったかぼちゃの香りに包まれると、「あぁ、この香り、秋だなあ」と、毎年恒例行事がやってきたような気持ちになります。

こうして空や風だけでなく、お店の中のお花や料理の香りまで、すべてが少しずつ秋へと向かっています。
毎日同じ場所に立っていても、たしかに季節が移ろっていることを感じられるのは、MAMEHICOで働く楽しみのひとつ。

秋のひと皿と秋のお花、どちらもゆっくり楽しみに来てくださいね。
きっと店内の空気がいつもよりやわらかく感じられるはずです。
季節の変わり目のちょっとしたご褒美を、みなさんと分かち合えたらうれしいです。

 

秋メニュー
各店で9/18(木)〜始まります。