真っすぐな甘さ

こんにちは。MAMEHICOのなかじゅんこと、なかがわじゅんこです。
もう10年近く、MAMEHICOのジャムはすべて私ひとりで作っています。

MAMEHICOのジャムは、今では珍しくなったトラディショナルスタイル。
自分で言うのもなんですが、素材の味をきちんと活かしながら、しっかりと甘く、香り高く、本当に美味しいと思っています。
なかでも、一年を通して人気で、通年仕込んでいるのが「いちごジャム」です。
パンと一緒にお出しするほか、瓶詰めにして店頭でも販売しています。

ジャムの材料はいたってシンプル。
使うのはいちごと上白糖だけ。添加物やペクチンは一切使いません。
いちごの水分と糖分、そして火加減だけで、なめらかで美しいジャムに仕上げています。

「上白糖なんですか?」とよく聞かれます。
はい、MAMEHICOのいちごジャムは、上白糖だけで作ります。
きび砂糖やグラニュー糖、てんさい糖など、いろいろ試してみましたが、色の鮮やかさ、味の濃さ、香りの立ち方、甘さのバランス──すべてを考えたうえで、井川さんと私の一致で、上白糖に決めました。

味も作り方も、基本はすべて井川さんが決めます。
私はその意図を汲み取り、できるだけ忠実に、そしてブレずに作り続けます。
それが私の役目であり、得意なことでもあります。

作り方は、大鍋に冷凍したいちごと上白糖を入れ、強火で一気に炊き上げます。
いちごは水分が多いため、すぐに汁が出てきて、そこに糖分がなじんでいきます。
炊いていると灰汁がブワーッと出てくるので、それを丁寧にすくい取りながら、焦げつかないように鍋をかき混ぜ続けます。
鍋の中は、真っ赤なマグマのよう。
ジャムがはねて火傷することもありますが、怖がってはいけません。
この強火こそが、おいしいジャムに欠かせない工程なのです。

ほどよいとろみがついたら、糖度計で測り、ちょうど「50」になったところで完成。
いまでは鍋の中の粘度だけで、おおよその糖度がわかるようになりました。

熱いうちに瓶に詰めて密封すると、冷めるにつれてとろみが増し、パンにも塗りやすい仕上がりになります。
MAMEHICOのジャムは、最近流行りの糖度低めのヨーグルト向きではなく、しっかりと甘い、パン向けのトラディショナルスタイルです。それには火加減です。

いちご以外にも、アプリコット、ラズベリー、りんごなど、季節を問わず仕込んでいます。
農家さんからどさっといただいた果物を冷凍しておいたり、海外の冷凍フルーツを使ったり。
日本の果物は甘くてジューシーで生食には向いているけれど、ジャムには向かないと私は思っています。
価格も高いですしね。

ただ、これからの季節には一瞬だけ、プラムや生のあんず、ブルーベリーなど、旬のストーン系フルーツが手に入ります。
量は少なく割高になりますが、こちらのWEBでもお福分けとして販売予定ですので、楽しみにしていてください。

ジャムを炊く日は、私にとって少し特別な日です。
甘くてあたたかい香りに包まれながら、「ああ、台所っていいなあ」と思える時間。
MAMEHICOのジャムが、誰かの暮らしの、ちいさな楽しみになりますように。

 

いちごジャムとグラノーラ2袋の朝食セット
¥4,200(税別)

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